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子どものためにモラハラ夫(妻)との別居・離婚を我慢するべきか

自分へのモラハラがひどい夫が子どもには優しい場合、あるいは子どもが小さい場合離婚をするのをためらってしまうかと思います。
今回のコラムでは子どものためにモラハラ夫(妻)との別居・離婚を我慢するべきかをよく悩まれるポイントごとに考えていきたいと思います。
片親から引き離すのは忍びない
夫婦間の仲が悪いだけで、子どもから親を一人取り上げるのは心苦しいかもしれません。
しかし、日本では別々に暮らしている親子が定期的・継続的に交流をする「面会交流」を行うよう民法で明文化しています(766条)。
面会交流は子供の利益を優先して回数や時間等を決める必要があるため、具体的な頻度は家庭によりますが、子どもが別居している親にもなついている場合、多めに頻度を設定するのもよいかもしれません。
また、近頃はコロナの影響により、直接の面会交流がしづらい状況ではありますが、反対にオンライン上で交流ができるサービスが充実してきたため、子どもが希望すればこまめにオンラインでの面会交流を行うのもよいと思います。
子どもを育てるためのお金が不安
片親のみで子どもを育てる場合、子どもの体調不良やイベントごとで仕事を休む可能性が高くなり、一馬力でバリバリ働く、というイメージはなかなかできないかもしれません。
また、片親のみで子どもを養育する場合、貧困のイメージが付きまとうとも思います。
しかし本来、別居をしている親は、子どもが独立するまで養育費を支払う義務があります。
ですので、子どもを養育している親が苦しい生活をしているのは、あまり健全でない状態だといえます。
別居・離婚後、婚姻費用や養育費を十分にもらえていないという方がいる場合、最近、婚姻費用や養育費の請求が大変しやすくなったので、未請求分の養育費を請求するのをおすすめします。
子どもが非行に走らないか心配
「片親だけで育つと(片親の愛情が不足していると)子どもが非行に走りやすい」という話はよく聞くかと思います。
しかし、両親がそろっていても非行に走る子どもはいます。片親でも親思いに育つ子もいます。
片親で子どもを養育すると、貧しさで十分に子どもに物を与えられない場合もあります。しかしそれは先ほどの養育費請求や、自治体のひとり親支援などを頼ってみることで改善するかもしれません。
それよりも、夫や妻からのモラハラ・DVに怯え、常に緊迫感のある家に居続けるほうが子どもの成長によくない、と考えられないでしょうか。
結局のところ、片親になって子どもがどう育つかは一概には言えないということです。
強いて言うならば養育親以外にも親戚や、近所の人など、親以外にも頼れたり、心の内を話せる大人が近くにいるといいかもしれません。
ここまで、片親になった際に考えられるお悩みへの回答を述べていきました。
日本に現在ある制度、法律をどんどん活用して、少しでもご自身とお子様のためによりよい選択ができますことを願っております!