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物を壊す暴力はDV?モラハラ?

配偶者からの暴力の中には、殴る・蹴るなどの身体的暴力(DV)や、無視をする・心無い発言をするなどの精神的暴力(モラハラ)などがよく挙げられます。
今回はそのどちらに当てはまるのかわかりづらい、「配偶者に物を投げつける」「物を壊す」といった行為がどのような暴力に当てはまるのかを書いていきたいと思います。
それではまず、物を壊す暴力にはどのようなものがあるか見ていきましょう。
①物を相手に向かって投げる
一番よく思いつくイメージではないかと思います。ドラマなんかの夫婦喧嘩のシーンで罵声とともに何かを投げ合う音や、お皿を投げて割る音が響く…そういったものをイメージしてみてください
相手に向かって物を投げつける行為は身体的暴力に当てはまる可能性が高いです。
投げられたものがぶつかってけがをした場合は傷害罪、けがをしなければ暴行罪に当てはまることもあります。
また物を投げられた結果、人に当たらなかった場合でも暴行罪は成立しうることがあります。
もしもこのような暴力を受けて、けがや打撲など、体に何かしらの異変があったら病院へ行って診断書をもらうようにしましょう。
自分にぶつからなかった場合でも、壁や床などがへこんでいたら後々暴力の証拠になりますので、写真や日記などの記録を取るようにしてください。
②物を壊す
物を相手向けて投げなくても、威嚇のように物を壊すだけの行為をする場合もあります。
また、相手が大切にしていたものを物を床に叩きつけて壊すといった行為に出る人もいます。
破片などがこちらに飛び散ってこなくても、すごく心が傷つき、恐怖をおぼえる行為ですよね。
自分が昔から大切にしていたものや、思い出のものを壊すことはモラハラになりえます。
身体は傷つきませんが、思い出のものを壊されることは何より心が傷つく行為です。また、「自分の言うことを聞かないとまた別の大切なものを壊すぞ」「今度はお前を傷つけるぞ」という言外のアピールとも受け取れます。
対処としては物を投げつける暴力と同じです。いつ何を壊されたかの記録を写真や日記などできちんと残しておくことが大切です。
ちなみに、壊されたものが自分の特有財産(結婚前に買ったものなど)であった場合は損害賠償が請求できる可能性があります。
③まとめ
物を投げられたり壊されたりする行為は、直接的な暴力行為とは違いますが、立派な身体的・精神的暴力の一つです。
このコラムを参考に、もしもそのような卑劣な行為をされても、くじけずに淡々と証拠を残せると、いざというときにあなたの強力な味方になるでしょう。
ここ最近では「民事不介入」と言われていた警察でも、夫婦喧嘩から起こる暴力には介入するようになりました。
あまりにもひどい暴力を受けて命の危険を感じた場合には警察に頼ることも視野に入れてください。