なぜDV加害者は暴力を振るうのか(DV加害者の心理について)

DVの種類や定義がわかったところで,「じゃあどうして加害者は配偶者・交際相手に暴力を振るってしまうのか?」と考えると思います。

それは「暴力を振るうと,おいしい思いが出来るから」です。

なんとなくドラマや映画などでDVをする人物は「ついカッとなって手が出る」,「怒りの感情が爆発して殴ってしまう」というイメージがあるかと思います。
しかし,本当にカッとなって手が出てしまう人ならば,相手が誰であろうとも反射的に手をあげているはずです。たとえ職場の上司・同僚でも,店員さんでも,近所の人であってもです。
おそらくDV加害者はどんなにストレスが溜まっても,彼らに対しては手を出しません。DV加害者はちゃんとTPOをわきまえた行動が出来る自制心を持っているからです。


つまり,DV加害者は,配偶者や交際相手,あるいは子どもには「暴力を振るってもいい」と判断して,相手を選んでDVを行っているのです。
DV加害者は,被害者を対等な人間と見ておらず,「支配できる人」だと思っています(無意識にそう思っている場合もあります)。

DV加害者はたいていの場合,被害者より収入があったり,身体的な力の差があったりなど,「勝てる」可能性が高いため,暴力に訴えます。

また,暴力を振るっても「収入がないから,自立する力がないから逃げないだろう」と考えるため,暴力を選ぶことが出来るのです。そして被害者はこれ以上暴力を受けたくない一心で,我慢して加害者の言うことを聞いてしまいます。
暴力を振るえば,簡単に相手が言うことを聞かせてしまえるのですから,加害者にとってこれほどおいしいことはありません。支配欲を満たすことも出来ます。

そして暴力を振るっても相手は逃げないと思っているので,加害者にとってデメリットは全くありません。


こうして,DV加害者は力の差を盾に,被害者に言うことを聞かせるために暴力を振るうことを「積極的に選択」しているのです。

監修者情報

法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行(東京弁護士会)

特許事務所にて 特許出願、中間処理等に従事したのち、平成17年旧司法試験合格。
平成19年広島弁護士会に登録し、山下江法律事務所に入所。
平成23年地元北千住にて独立、法律事務所リベロを設立。


弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけている。

法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行

  • 東京弁護士会所属
  • 慶応大学出身
  • 平成17年旧司法試験合格

弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけている。

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