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なぜDV加害者は暴力を振るうのか(DV加害者の心理について)

DVの種類や定義がわかったところで,「じゃあどうして加害者は配偶者・交際相手に暴力を振るってしまうのか?」と考えると思います。
それは「暴力を振るうと,おいしい思いが出来るから」です。
なんとなくドラマや映画などでDVをする人物は「ついカッとなって手が出る」,「怒りの感情が爆発して殴ってしまう」というイメージがあるかと思います。
しかし,本当にカッとなって手が出てしまう人ならば,相手が誰であろうとも反射的に手をあげているはずです。たとえ職場の上司・同僚でも,店員さんでも,近所の人であってもです。
おそらくDV加害者はどんなにストレスが溜まっても,彼らに対しては手を出しません。DV加害者はちゃんとTPOをわきまえた行動が出来る自制心を持っているからです。
つまり,DV加害者は,配偶者や交際相手,あるいは子どもには「暴力を振るってもいい」と判断して,相手を選んでDVを行っているのです。
DV加害者は,被害者を対等な人間と見ておらず,「支配できる人」だと思っています(無意識にそう思っている場合もあります)。
DV加害者はたいていの場合,被害者より収入があったり,身体的な力の差があったりなど,「勝てる」可能性が高いため,暴力に訴えます。
また,暴力を振るっても「収入がないから,自立する力がないから逃げないだろう」と考えるため,暴力を選ぶことが出来るのです。そして被害者はこれ以上暴力を受けたくない一心で,我慢して加害者の言うことを聞いてしまいます。
暴力を振るえば,簡単に相手が言うことを聞かせてしまえるのですから,加害者にとってこれほどおいしいことはありません。支配欲を満たすことも出来ます。
そして暴力を振るっても相手は逃げないと思っているので,加害者にとってデメリットは全くありません。
こうして,DV加害者は力の差を盾に,被害者に言うことを聞かせるために暴力を振るうことを「積極的に選択」しているのです。