モラハラ加害者の裏に潜む…自己愛性パーソナリティ障害ってなに?

監修者:弁護士 渡辺秀行 法律事務所リベロ(東京都足立区)所長弁護士

監修者:弁護士 渡辺秀行

 法律事務所リベロ(東京都足立区)
 所長弁護士

モラルハラスメント(以下モラハラと呼びます)とは一般的に暴言や無視、ものに当たる等身体的暴力以外で相手を傷つける行動を指します。
そんなモラハラ加害者の多数に当てはまるパーソナリティ障害があります。自己愛性パーソナリティ障害です。

目次

自己愛性パーソナリティ障害とは

自己愛性パーソナリティ障害の方には以下のような傾向が挙げられます。

  • 自分の能力や価値を過大評価している。自分が特別な存在だと思い込んでいる。
  • 周囲から賞賛や注目されたいという思いが強い。
  • 他人から指摘されたり思うような評価が得られないと極端に傷つく
  • 共感性の欠如
  • 自分以外の人間を低く評価する、または見下す。

このパーソナリティ障害は女性よりも男性に多く見られます。
明確な原因はないとされていますが、幼少期の家庭環境が関係しているのではないかと言われています。

自分の思い通りにならなければ急に怒り出したり、抑うつ状態になることがあります。異常な自尊心と気分の落差がモラハラの引き金になっていると思われます。

自己愛性パーソナリティ障害が家庭や夫婦関係に及ぼす影響は

身近な存在である妻(夫)を攻撃対象とし暴言を吐いたり無視をする

モラハラの一般的なイメージはやはり暴言や無視など配偶者への精神的暴力でしょう。
ほんの些細なことに難癖を付け,暴言を吐いたり,長期間無視をしたりします。
自己愛性パーソナリティ障害の人は「自分が優れている」と感じているため,見下している人間(=家族等身近な人間)が思い通りに行動しなかったり,なにかを指摘されたりすると激しく攻撃することがしばしばあります。

話がかみ合わない

当事者間で問題を解決する際は基本的には話し合いで解決しようとするでしょう。
しかしモラハラ気質の人と話し合いをしようとしても,中々話がかみ合わず,被害者側が最終的に折れてしまうことがあります。
これも自己愛性パーソナリティ障害の特徴に該当します。

・自分は完璧。間違っているはずがない。間違っているのは相手のほうだ。
・相手は自分より格下な存在。

基本的にこういった考え方をしているため,被害者が何を言おうと
「おまえが悪い!」「俺の言うとおりにすればこうならなかった!」とすべて被害者のせいにし話し合いができなくなります。
そしてこちらが謝罪するか非を認めるまでずっと責め立てます。

外では良く振る舞うため周囲からの理解を得られない

自己愛性パーソナリティ障害の人は他人からの評価をとても気にします。
そのため,職場など家の外では機嫌が良かったり,温厚な態度をとる等いわゆる“いい人”のように振る舞います。
そのため周囲に「夫(妻)は家では暴言を吐いたり,無視したりする。」と相談しても信じてもらえないことがあり,被害者は1人で問題を抱え込むことになりがちです。
内と外での二面性が強いこともモラハラと自己愛性パーソナリティの共通点といえます。

結婚など何かのタイミングで急に人格が変わる

自己愛性パーソナリティ障害が疑われるモラハラ加害者に多い特徴として,
「結婚」「出産」等カップルや夫婦の生活にに大きな変化のあるタイミングで急に人格が変わったかのようにパートナーを傷つけるようになるといったことが挙げられます。
第三者にモラハラの相談をすると「結婚前にモラハラ気質だと気づかなかったの?」とよく聞かれたりすることがあるかと思います。
モラハラ加害者ははじめに自分の攻撃対象を探します。いきなり攻撃すると逃げられることは分かっているため
最初は優しかったり熱烈な愛情表現をすることで,信頼関係を構築しようとします。
こうして信頼関係ができあがると,モラハラ加害者は自分の攻撃対象を手に入れたと認識します。信頼関係ができたと認識するタイミングが結婚や出産等にあたるのです。

自己愛性パーソナリティ障害由来のモラハラは治療できる?

“自己愛性パーソナリティ障害”は生まれつきの疾患等ではないので,
カウンセリングや心療内科に行けば治療してもらえるのではないか?
昔の優しかった夫(妻)にもどってくれるのではないか?等期待してしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし現状そういったパーソナリティ障害の根本的な治療方法はありません
自分の思い通りに行かず塞ぎ込み,抑うつ状態に陥った場合に抗うつ剤を処方してもらうことは出来るかと思いますが,それによってパーソナリティ障害そのものが治るわけではありません。
またこういったモラハラ気質の人を病院に連れて行こうとすると「おかしいやつだと思っているのか!!」と返って逆鱗に触れる可能性もあり,非常に難しいです。

治療方法もない・・・
カウンセリングに連れて行こうとすると怒られてしまう・・・
どうしたらいいんだろう💦

自己愛性パーソナリティ障害が疑われるモラハラ加害者への対処

相手のプライドを傷つけないようにする

一般的に自己愛性パーソナリティ障害の人はプライドが高く,他者からそのプライドを傷つけられると酷く怒ります。
もし相手から理不尽なことを言われたとしても,加害者に対してプライドが傷つくことや,加害者自身を否定するようなことを言わないことをおすすめします。

自分が被害者であることを認識しカウンセリングに行ってみる

日々暴言を吐かれたり,無視されたり,相手を怒らせないよう気遣って生活していると
被害者側も知らず知らずの間に精神的に深い傷ができます。
そういった場合はカウンセリングを実施している精神科や心療内科を受診しましょう。
専門家の意見を聞き,まずは精神的な傷を回復させることが大切です。
その次に,自分がモラハラ(自己愛性パーソナリティ障害)の被害者であることを認識し,後述する通り,相手と距離をとるよう行動すると良いでしょう。

加害者と距離を置く

いろいろな本やサイトにもよく書かれているように
自己愛性パーソナリティ障害が疑われるモラハラ加害者への対処法として
加害者と物理的に距離を置くことが大切です。
これまで夫婦あるいはパートナーとして楽しく過ごした期間もあり,色々と情もあるかと思います。
しかしあなたはこれまでたくさん傷つき,そして相手が変わる見込みもないとすれば,自分から行動を起こすしかありません。
自己愛性パーソナリティ障害はターゲットへの執着心が強く,距離を置かれると急に「自分が悪かった」等謝ったり,優しく接したり,たくさん連絡をしてきたりあなたを探したりすると思います。
しかし,よりを戻したとしてもまたすぐにあなたを攻撃し始めます。
ですから,自ら加害者の下を去り,連絡もブロック等で繋がらないようにしましょう。

加害者の下を去った後は警察や弁護士に一度相談することをおすすめします。
警察へ相談することによりモラハラを受けたという証拠を作成できますし,新しい住居が知られたくない場合には住民票の閲覧制限をかけることができます。
また婚姻関係にある場合,弁護士に相談すれば離婚の交渉等を代理で行ってもらえます。相手と二度と顔をあわせることなく離婚することもできます。

その他モラハラと関係があるパーソナリティ障害

国際的に用いられている精神疾患基準の1つにDSM-5というものがあり,それによればパーソナリティ障害は以下3つの類型に分けられます。

A群
妄想性パーソナリティ障害
スキゾイド
統合失調質パーソナリティ障害

A群に分類されるパーソナリティ障害は、奇異で風変りな類とされています。
妄想性ですと、疑い深く人を信用できないため相手に対し、常に敵意をもっています。
またスキゾイド・統合失調質パーソナリティ障害は、他者と関係をもつことに恐怖を感じ、自分の内的世界にこもっていることが多いという特徴があります。

B群
自己愛性パーソナリティ障害
演技性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害
反社会性パーソナリティ障害

B群は感情的かつ衝動的で周囲を巻き込む類です。
演技性のものは自分に注目が行くよう、過度な行動をしてしまいます。承認欲求がつよく、自分が他者から認められないときには危険な言動をとり、相手を振り回すことがあります。
また境界性のものは見捨てられ不安があったり気持ちが両極端になるため他者と長期的に安定した関係を築くことができないことがあります。
反社会性パーソナリティ障害とは、法律などの規則を軽視しており、自分の欲望のためであれば他人を欺いたり、ものを盗むこと等に何の抵抗もないことが特徴です。

C群
回避性パーソナリティ障害
依存性パーソナリティ障害
強迫性パーソナリティ障害

不安や恐怖心が強く内向的な類です。
このC群に属するパーソナリティ障害の特徴は、人間関係を自ら積極的に持とうとしない、いわば受身な性格です。
その性格がゆえに、B群に属するパーソナリティ障害の人のパートナーになっていることがよくあります。
例えば夫が自己愛性パーソナリティ障害、妻が依存性パーソナリティ障害であるため、夫は自分に依存している妻に対し、気に食わないことがあるとDVをしてしまうというのが典型的な例です。

パートナーが自己愛性パーソナリティ障害にあてはまらないが、何か少しほかの人と違うと感じた際には
上記を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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所長 弁護士 渡辺秀行(東京弁護士会)

特許事務所にて 特許出願、中間処理等に従事したのち、平成17年旧司法試験合格。
平成19年広島弁護士会に登録し、山下江法律事務所に入所。
平成23年地元北千住にて独立、法律事務所リベロを設立。


弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけています。離婚・DV・モラハラでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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所長 弁護士 渡辺秀行

  • 東京弁護士会所属
  • 慶応大学出身
  • 平成17年旧司法試験合格

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