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いじめに関する訴訟
当事務所は,いじめ・虐待の問題に積極的に取り組んでおります。
一人でも多くの,いじめ・虐待に悩まれている方の勇気と希望になればと思い,下記に取扱いました事件をご紹介させていただきます。
当職が担当した訴訟について
当職が担当した訴訟について、この度事件が終了いたしましたので詳細をご紹介いたします。
同じ児童養護施設に入所していた男子児童から,いじめ(暴力,性的暴行等)を受け,その原因は施設職員の対応にあったとして,施設を管理監督する広島県を相手取り,損害賠償を求め,慰謝料の支払いが認められた事件
裁判の流れ
第1審 | 広島地方裁判所 | 平成22年4月20日判決 | 敗訴 |
控訴審 | 広島高等裁判所 | 平成23年3月11日判決 | 慰謝料が認められる |
上告審 | 最高裁判所 | 平成24年9月13日決定 | 控訴審の判決が維持される |
概要
平成17年,広島県が管理監督する児童養護施設内において,当時10歳の男子児童A君は,同じ児童養護施設に入所していた男子児童複数名から,日常的に暴力行為等のいじめを受けていました。
施設の職員は,加害児童らの問題行動を個々にとらえるだけで,A君に対するいじめの全体像を把握する努力を怠ったため,同年9月,A君は就寝中に,加害児童らのうちの1名から,性的暴行を受けてしまいました。
施設職員は,この加害児童らのいじめを認識していたにも関わらず,見回りの回数を増やしたり,宿直員の監視が届く部屋に被害児童を移動させたり,入所する寮を替えることもありませんでした。
当職は,A君の訴訟代理人として,施設職員らが安全配慮義務に違反して必要な措置を講じなかったため,他の入所児童から性的暴行等を加えられ,損害を被ったとして,この施設を管理監督する広島県に対し,損害賠償を求める訴訟(国家賠償請求事件)を起こしました。
一審では,「職員は生徒に口頭で注意するなど,防止対策を講じていた」として,こちらの請求が棄却されましたが,その後,控訴し,二審では,児童が生徒からのいじめを訴えた後も居室を移さなかった職員の対応について「事件の発生を回避する措置を取らなかった」として,安全配慮義務違反が認められ,広島県に慰謝料の支払いを命じるとの判決を得ました。
それから,広島県が上告し,約1年半の最高裁判所の審理を経て,平成24年9月に,上告を棄却するとの最高裁判決を得ました。
実に7年を要し,非常に難しい事件ではありましたが,最後まで諦めずに全力で闘った結果,勝訴ということで本当に嬉しく思います。
被害に遭われてしまったA君の,これからの人生に,少しでも生きる力と勇気を与えられたらと思います。
昨今では,痛ましいいじめのニュースが連日のように取り上げられています。
1人でも多くの,いじめ被害者,また,いじめ加害者が減りますことを心より願うとともに,当事務所は
いじめ・虐待問題にも力を入れて取り組んでおります。
どんなことでも結構ですので,ご相談ください。
「正義なき力は,暴力なり。力なき正義は,無能なり。」
極真空手に勤しむ当職の座右の銘です。