別居時に持っていくべき持ち物とは?リュック1つでDVモラハラ夫から子連れ夜逃げした専業主婦が解説!

リベ子

こんにちは!法律事務所リベロの事務員リベ子です。

所長弁護士 渡辺

所長弁護士の渡辺です。

実際にDVモラハラ夫から逃げ出した体験談法律や行政の支援と絡めて連載形式で掲載しています。
このコラムが、DVモラハラ加害者の支配の元にいる方の、勇気を出すきっかけになりますように。

過去の記事はこちら

目次

DVモラハラ加害者と別居する時の「荷物問題」

DVモラハラ加害者との別居を決意した時に、多くの方が悩むのが「荷物をどうするか」という問題です。

新しい部屋を契約するか実家と相談して、加害者に気づかれないように計画的に少しずつ荷物を運び出す、シェルターや業者と連携して加害者の仕事中や出張中に作業をすませる。

このように別居前に十分準備の時間があり、計画的に荷物を運び出すことができたら良いのですが、DVモラハラから逃げるケースでは、大切な荷物を残したまま別居する方も少なくありません。

私が逃げた時に持っていた持ち物

  • スマホ
  • 財布(免許証・保険証)
  • 夫婦の家計のキャッシュカード・子どもの名義の銀行のキャッシュカード
  • 子どもの予備の服1着分
  • ミニタオル
リベ子

恐怖で頭が回らず近所の公園遊びをする時のリュックでそのまま子ども2人を連れて家をでました。辛うじて家計のお金が入っているキャッシュカードを持ち出して、夫婦の預金の半額をおろせたので当面の資金は何とかなりました・・・。

持ち物は上記の物だけでした。手持ちのお金があったので、初日は居住地からかなり離れた場所のホテルで一泊したのですが、家にメガネも置いてきてしまい、空いているホテルには近くにコンビニも無かったのでミネラルウォーターでコンタクトを洗い保存したことを覚えています・・・。

荷物をまとめる余裕もなく家を出たので、出てきた当初は本当に不便で不安でした・・・。自分の持ち物が何もない状態がこんなにも心細い物かと。

別居を考えている方が、もし急に家をでることになった時は、最低限の荷物だけでも持ち出せるように別居時の荷物を確認しておくことをおすすめします。

しかし、荷物無しで逃げた感想として「最悪なんとでもなるので、本当に危険だと思った時、今出ないと出るタイミングがない、というときは荷物のことは気にせずにスマホと財布だけ持って自分と子どもの安全を最優先に逃げた方がいい」ということを言いたいです。

また、暴力を振るわれたり、身の危険を感じたときは、ためらわず警察に通報してください。

別居時に最低限持って行った方がよい荷物

  • 今後の生活のための当面の資金
    ※夫婦の家計から預金を下ろして持ち出す場合、財産分与として主張できる半分の額以上を持ち出してしまうと、相手に返還を求められたり等、揉める原因となってしまうので注意してください。
  • スマホと充電器
    区役所等への相談・暴力相談センターへ相談していた場合、家を出てからは連絡が密になります。
  • 自分や子ども名義のキャッシュカード、クレジットカード類
    持ち出せなかった時は「紛失届」を出し、再発行してもらう等、相手方が勝手に引き出せないようにします。
  • 自分や子ども名義の通帳・印鑑
    持ち出せなかった場合は「紛失届」を出し、再発行・再印鑑登録をし、相手方が勝手に引き出せないようにします。
  • 自分や子ども名義の保険証券
    保険会社に申請して再発行してもらうことも可能です。調停時の財産分与の際に必要になる場合もあります。その際相手方に提出してもらうことも可能ですが、持ち出しておくとスムーズです。
  • 運転免許証・パスポート等の身分証明証
    特に運転免許証は、住民票を移動しなくても警察署に相談すれば住所変更が可能で、新しいスマホの契約や銀行口座の開設等、身分証明に非常に役に立ちました。
  • 母子手帳
    母子手帳は再発行しても全ての記録を取り戻すことは難しいので、持ち出しておくことをおすすめします。私は家に置いたままで後悔しました。
  • 常備薬・処方薬
    加害者の社会保険の扶養に入っている場合、しばらく保険証・医療証は使わないことをおすすめされます(どの病院で使用したか照会可能なため)。自費で受診になる可能性もあるので、あると便利だと思います。
    私は2ヶ月ほど受診が自費になってしまいました・・・。
  • (あるようなら)DV・モラハラ・不貞等の証拠類
    自分で書いてた日記、ボイスレコーダー、診断書、相談記録の書類等
リベ子

もし別居を考えている方がいたら、普段から貴重品はまとめて置くことおすすめします。

荷物を取りに行きたい・・・でも別居後の自宅への立ち入りは避けた方が良い

上記で必要最低限な物を紹介しましたが、別居してからは日常生活は荷物が無くて本当に不便でしたので、「荷物を早く引き取りたい」「荷物を渡してもらう方法はないか」という思いは常にありました。

リベ子

子どものおもちゃ、写真、思い出の品、自分や家族の服、趣味用品、すべて置いてきたのはやはり悲しいし悔しい思いでした

しかし、別居後に「自宅に少しだけ戻りたい」「荷物を取りに行きたい」といって、自宅に戻るのは避けた方がよいです。その理由を説明します。

別居後の無断立ち入りは犯罪に当たる可能性がある

  • 別居中に配偶者やパートナーが単独で管理する自宅に無断で立ち入る行為は、住居侵入罪(刑法130条)となる恐れがあります。
  • 自分の荷物でも、配偶者やパートナーが現在管理している物であれば、窃盗罪(刑法235条)に当たる恐れがあります。
    ※夫婦間の間の窃盗について、刑事上の処罰はありません(刑法244条1項)。しかし、相手から訴えられたり、調停での紛争の原因になる可能性があります。
リベ子

逃げられたDVモラハラ加害者は逆上してちょっとでも相手に非がないかとやっきになることが多いです。言いがかりに近いようなことでも、調停が長引いたり、精神的なダメージが大きくなりますので、争いの元になりそうなことはなるべく避けた方が無難です。

相手と鉢合わせしてしまった場合、身の危険がある

たとえ相手と連絡をして了承をとっても、1人で荷物を取りに行くことは避けてください。相手が落ち着いているように見えても、会ったら言い争いになり、あなたの身に危害が及ぶ可能性もあります。

また、荷物を取りに行って加害者と会い、言いくるめられたりすがられたりして、別居の決心が鈍り元に戻ってしまう可能性もあります。

別居後、荷物を引き取るには?

DVモラハラ加害者から逃げた場合、加害者と直接やりとりすることは避けた方が無難ですので、荷物について話し合いたい場合、弁護士を通して話し合うことをおすすめします。

調停の場に持ってきてもらう

重要書類や子どもの物など、相手方が協力的な場合は調停の場に持参してもらい、受け取ることができます。

重要な書類は送ってもらう

弁護士に依頼している場合は、相手方に弁護士事務所宛に必要な書類を送ってもらうことが出来ます。住んでいる住所を知られたくない、相手と直接やりとりをしたくない方は、弁護士を通して書類等の引き渡しのやりとり等をすることができます。

離婚問題に精通した引っ越し業者に頼む

最近、離婚や別居する方に配慮した引っ越し業者が増えています。

大手の引っ越し業者よりも目立たず、転居先の秘匿や被害者の安全への配慮がされている場合が多いです。離婚後加害者宅に荷物を取りに行くが、会いたくない、会うのが怖い等、その場に立ち会いたくない場合にリモートで作業ができるサービスを行っている業者もあります。

  • プラス引っ越しステーション
    離婚・DVモラハラ・ストーカー等でお困りの方専用の「Re:スタート引っ越しサービス」があります。
    リモートでの見積もりや引っ越し作業ができるのが特徴で、立ち会いたくないけれど作業は見ていたいといった場合にはスタッフの様子をリモートで確認することができます。
リベ子

私はこちらのサービスを利用しましたが、現地での見積もりも無しで当日もスムーズに作業をしてもらえました。問い合わせてからの事前のやりとりもスムーズでこちらの状況にいろいろ配慮していただきましたし、安心して引っ越しをお願いできました!

まとめ:離婚成立を最優先にしよう

別居中、早く自分の荷物を取り戻したいと思う気持ちはとてもよく分かりますが、無断に立ち入ったり、話し合いのすんでいない共有財産の対象物などを勝手に持ち出してしまうと、争いが生じ離婚成立までの期間が長引いてしまうこともあります。離婚前提での別居の場合は、まずは離婚をなるべく早く成立させることを最優先にし、共有財産になりうる荷物の持ち出しについてはしっかりと話し合った上で荷物の引き取りをすることをおすすめします。

リベ子

私が荷物を引き取ることが出来たのは、別居開始から1年3ヶ月後のことでした。離婚が成立した後だったので、お互いある程度落ち着いていましたし、スムーズに引き取りができました。

法律事務所リベロでは、DVモラハラからの避難を考えている方へ、別居準備のサポート等も行っています。別居の前に事前に相談に来てくだされば、準備するべき荷物、手順、その後の相手とのやりとり等、サポートさせていただきますので、ぜひご相談ください。

監修者情報

法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行(東京弁護士会)

特許事務所にて 特許出願、中間処理等に従事したのち、平成17年旧司法試験合格。
平成19年広島弁護士会に登録し、山下江法律事務所に入所。
平成23年地元北千住にて独立、法律事務所リベロを設立。


弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけている。

法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行

  • 東京弁護士会所属
  • 慶応大学出身
  • 平成17年旧司法試験合格

弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけている。

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