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【DVモラハラ】子連れでDV避難したきっかけや相談先についての体験談をお話しします!
こんにちは!法律事務所リベロの事務員リベ子です。
所長弁護士の渡辺です。
「夫のDV・モラハラに悩んでいる、辛い、逃げたい、でも専業主婦で子どもも小さくて、離婚なんてできないから我慢するしかない・・・」と、悩んでいませんか?実は、私もその一人でした。
著者情報
法律事務所リベロ
事務員 リベ子
小学生と保育園児二人の子どもがいるシングルマザー。
子どもが出来てから専業主婦でしたが、夫のDVモラハラに悩んでいました。
ある日夫が激高した時に子どもを連れて外に逃げ、DV相談に電話し、自分がDV被害者であることを自覚。
財布とスマホのみ入ったリュック1つで3歳と5歳を連れてそのまま家出を決意。
家無し職無し預け先無しで崖っぷちになる。シェルター、母子生活支援施設入居経験あり。
法律・行政・友達、たくさんの人の助けを借り、離婚調停を経て無事離婚が成立し、現在は育児に仕事に前向きに人生を取り組んでいます!
このコラムでは、実際にDVモラハラ加害者から逃げ出した体験談と共に、法律や行政の支援はどのようなものがあるかについても詳しくご説明して行きたいと思います。このコラムが、DVモラハラ加害者の支配の元にいる方の、勇気を出すきっかけになりますように。
まずは、私リベ子が別居を決意するきっかけとなった電話相談についてご紹介します。
この記事は以下のような人におすすめ!!
- DV・モラハラかも・・・と思っても、どこに相談すれば良いのかわからない
- 周囲の友達や親族に相談してみたけれど、心ない言葉を言われてかえって傷ついたことがある
- DVモラハラの相談をしてしまったら、大事になってしまうかもしれなくて怖い
- 今まで誰にもDVモラハラ被害にあっていることを話したことがない
もう無理かもしれない・・・と思ったら勇気を出して専門機関に電話してみることが一番おすすめ。
寒さまっさかりの冬の夜、夫のいつも以上に激高した姿にとてつもない恐怖を感じ、当時5歳と3歳の女の子二人を連れて、夫から離れるべく家を飛び出しました。この時は、夫が冷静になるのを待つまでいったん家の外に出て避難しようとしただけで、別居については全く考えていませんでした。持ち物は普段公園に持って行くようなリュック(中身は財布、スマホ、子どもの着替え1着、タオルくらい)のみ。
今まで夫がキレること、暴言・暴力があることを誰にも相談することができずにいた私ですが、この日は限界だったのだと思います。「こんなこと普通なんだろうか。誰かに教えて欲しい。ただの夫婦喧嘩なのか、夫がおかしいのか。私がおかしいのか。」答えが欲しくて電話した先は「義姉」でした。結局義姉は電話に出なかったので、ネットで検索して内閣府のDV+(クリックでリンク先へ)というDV相談窓口にかけてみることにしました。
今思うと、義姉に電話が繋がっていたら、家族内で話し合う、くらいで家に戻ってしまったかもしれません。あの時電話が繋がらず、専門機関に電話をかけたことによって、運命が大きく変わったと思います。
DV・モラハラの被害にあっている人の苦しみは、周囲の人にはなかなか理解されにくいものです。「うちだって夫婦喧嘩くらいあるよ」「もう少し相手を立ててあげたらいいのに」「嫌なら逃げればいいのに逃げないということは辛くないのだろう」等、助けを求めても心ない言葉をなげられ、さらに孤立してしまう被害者の方も多いです。専門機関に相談し、客観的な意見を聞くことが大切です。
専門機関に相談することで「私は被害者だったんだ。」と自覚することができた。
DV・モラハラの加害者の特徴として、「自分の間違いを決して認めない」「問題があれば全て相手のせいで自分は悪くない」という心理があります。「俺がこんなに怒るのはお前が異常だからだ。お前がモラハラをするからだ。」「お前が馬鹿なのが悪い」等、暴言を吐く人が多いです。
DV・モラハラ被害者は相手に劣等感と罪悪感を植え付け、支配することで自分の心を安定させます。暴言や暴力が日常的に行われることによって、DV被害者にとって「何が正しいのか」「自分がされていることは異常なのか」の区別がつかなくなってしまいます。ですので、「相手を怒らせる自分に問題がある。自分が我慢すればうまくいくはずなんだ」と思い込み、行動を改善しようとします。しかし、DV加害者は「相手をコントロールすること自体」が目的です。被害者がどんなに頑張って相手を怒らせないように気をつけても、そこらじゅうに転がっている地雷を一つでも踏んでしまえばDV加害者は暴力・暴言をふるいます。
私も、夫婦仲を改善するために効果的と言われている「Iメッセージ」の実践や夫の趣味・生活を尊重するなど努力してきました。でも、一般的に言われている「夫婦仲をよくするためにお互い努力すべき」という考えは、DV・モラハラの支配とコントロールの関係にはあてはまらないんですよね。
DV・モラハラ加害者の多くは、自分に問題があるという自覚がありません。なのでそもそも「相手が悪いのだから自分は直すべき所なんてない」と、自分が変わることを嫌います。結果、被害者だけが我慢を強いられることになるのです。
DV+に初めて電話をかける時は、非常に躊躇しました。「自分がDV被害者である」ということを認めたくなかったのです。また、「ただの喧嘩だ、私たち夫婦は問題がない」とどこかで思い込んでいたので、そう言ってもらって安心したいという気持ちもありました。
電話に出たのは、年配の女性の方でした。夫が激高した経緯を「私も悪かったのかもしれませんけど・・・(これも被害者の特徴)」という言葉を交えながら説明すると、「あなた、それは立派なDVです。ほとんどの男性は、どんなに頭にこようが、たとえ相手が悪かろうが、暴力に訴えることはしないんです。あなたが悪ければ暴力をふるっていいという言い訳は成立しません。暴力を振るった方が悪いんです。」と言われました。その時は、「よかった、私が異常だったんじゃなかったんだ」という安堵感と、「夫のやってきてたことは暴力だったんだ。自分はDVを受けていたんだ」というショックで、号泣してしまいました。
子ども達に被害が及ぶ前に、逃げ出さなければと決意。
意外だったのが、「すぐ離婚しなさい、そんな人とは別れなさい」「今から避難しなさい」とは言われなかったことです。電話相談を終えた後、一度家に戻るかどうか、公園で考えました。夫が激高したとき、上の子は夫を止めようとして、下の子は大泣きしていましたが、二人は夜の公園で楽しく遊んでいました。このまま帰ったら、おそらくいつも通り謝って、日常生活がまた始まるんだろう。近所の人に夫の怒号について何か言われないかとビクビクしながら。自分の家庭に秘密を抱えたまま。しかし、自分がDVを受けていると自覚してしまった以上、科学的にも実証されている「DV・面前DVの子どもへの影響」を考えると、もう家に戻ることは出来ませんでした。
子どもへの虐待はもちろんのこと、最近では子の面前でのDV(面前DV)も児童虐待に当たるとされ、子ども時代にDVを目撃して育った人は、脳の「視覚野」の一部が正常な脳と比べ約6%萎縮する等、子どもにとって非常に大きな影響を及ぼすことが科学的にも分かってきました。
そして、私は別居を決意し、子ども二人を連れて駅へと向かったのでした。続く
まとめ:「DV相談=即別居・即離れなければならない」ではないので、相談してみることが大切
DVモラハラ被害を受けている、配偶者の言動はDVモラハラかもしれない・・・そんな悩みは誰かに簡単に話せることではありません。また、誰かに相談したことが配偶者にバレたら報復が怖い、もっとひどい目に遭うかもしれないと恐怖を感じ、誰にも言うことができずに孤立していってしまう方も多いです。DVやモラハラは、被害にあいつづけていると逃げ出す判断力すら無くなってしまいます。子どもが小さいし経済的に安定したら、、準備が整ったら、、もう少し我慢したら、、優しくて責任感のある方こそ、いろいろ考えてしまい、周囲に助けを求めることが出来なくなってしまいます。
専門機関に相談することで、客観的な意見を聞くことができ、自身も配偶者の言動を客観的に振り返る視点を取り戻すことができます。DVモラハラの支配の中にいる人の中には、スマホで調べ物をして相手にバレてしまう、相談したことがバレてしまうという恐怖や罪悪感を感じる人も多いと思いと思います。ネットでDVのことを調べるときにはブラウザの「シークレットモード」(検索履歴が残らない)を使用する、着信履歴を消す等対策をすればある程度大丈夫ですので、一度相談をしてみることをおすすめします。
次回は別居を決意してからシェルターに入るまで、どのようなプロセスがあったかをご紹介したいと思います!
参考:DV相談窓口の紹介
DVモラハラを受けているかもしれない、DVモラハラにもうこれ以上耐えられない。誰かに話を聞いて欲しい。そう思ったときに連絡できる相談先をご紹介します。
全国
相談機関 | 特徴 | 電話した感想 |
---|---|---|
DV相談+(プラス) | 電話・メールは24時間365日対応。チャッは12:00~22:00。 外国語相談にも対応(チャット)。 | 初めてDVの相談をし、また家を出た日の精神不安定な深夜にも電話をかけましたが、夜中の2~3時にも関わらず長時間親身になって話を聞いてくれました。朝になったらどんな行動をするべきか等、具体的な行動も指示してくれました。その後もフラッシュバックがおきる度にお世話になりました。別居当初は夜中眠れなくて本当に辛かったので、深夜も繋がるという点が非常に助かりました。 |
DV相談ナビ | #8008(はれれば)にかけると、発信地等の情報から最寄りの相談機関の窓口に電話が自動転送され、直接ご相談できる。 | 住んでる地域の配偶者暴力相談センターに繋がるので、区役所等の窓口と連携して相談予約を入れてくれる等、より具体的な行動の指示をしてくれました。 |
各地域
配偶者暴力支援センター
都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において、配偶者暴力相談支援センターの機能を果たしています。また、市町村も自らが設置する適切な施設において、配偶者暴力相談支援センターの機能を果たすよう努めます。配偶者暴力相談支援センターでは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、
- 相談や相談機関の紹介
- カウンセリング
- 被害者及び同伴者の緊急時における安全の確保及び一時保護(※)
- 自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助
- 被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助
- 保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助
を行います。
引用元:男女共同参局
配偶者暴力相談支援センター一覧(全国) [PDF形式:315KB]
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