【モラハラ妻・夫に効く】戦わないで勝つ!モラハラに効果的な言葉とは?

監修者:弁護士 渡辺秀行 法律事務所リベロ(東京都足立区)所長弁護士

監修者:弁護士 渡辺秀行

 法律事務所リベロ(東京都足立区)
 所長弁護士

モラハラ加害者は、根本的に自己肯定感が低く他人を信じることができず、コミュニケーションの目的が「どちらが優位に立つか」になりがちです。それを同じ土俵で戦ってしまうと、さらにモラハラが悪化する原因となってしまいます。

このコラムでは、モラハラ妻・モラハラ夫に効くポジティブな言葉を解説していきます。「関係を改善したいがどうやったらいいか分からない」という方は、試してみてください。

目次

モラハラとは?

モラハラの定義と特徴

モラハラ(モラルハラスメント)とは、言葉や態度を通じて相手を精神的に傷つける行為を指します。この行為は一見、物理的な暴力を伴わないため見過ごされがちですが、人の心に深い傷を与える場合があります。

特に、夫が妻に、または妻が夫に行うこともあり、日常生活の中で気づかれずに進行することが多いです。モラハラは、例えば罵声を浴びせたり、相手の意見を尊重せずに怒鳴りつける、無視する、そして外見や能力に関する侮辱などが特徴的な行動です。

モラハラが夫婦関係に及ぼす影響

モラハラが夫婦関係に及ぼす影響は重大です。受けた側は自己肯定感が著しく低下し、ストレスや心身の不調を引き起こすことがあります。こうした影響により、家庭内の雰囲気は悪化し、時には離婚や別居といった最悪の事態を招くことも避けられません。このような状況を打開するためには、適切な言葉を選んでコミュニケーションをとることが鍵となります。例えば、「ありがとう」や「頼りになるね」といった感謝や尊重を伝える言葉は、相手の不安感・自己否定感を和らげる可能性があります。

モラハラに効くポジティブな言葉の具体例

「ありがとう」「さすが!すごいね!」 ― 感謝と褒め言葉の力

「ありがとう」という一言には、大きな力があります。夫婦間で感謝の気持ちを素直に伝えることは、互いの関係を温かく保つ秘訣です。褒め言葉である「さすが!すごいね!」も、相手を認める気持ちを伝えます。モラハラ夫・妻に対しても、このような感謝と褒める言葉を日常的に使うことで、心の壁を徐々に崩していく効果が期待できます。これにより、モラルハラスメントの根底にある不安や自己肯定感の低さを徐々に和らげ、夫婦関係の改善につながるかもしれません。

「なるほど」「そうだね」 ― 共感を示す言葉

相手の話をしっかりと聞いて、「なるほど」「そうだね」と共感を示すことは、相手が理解されていると感じる瞬間を作り出します。特にモラハラの初期段階では、相手が自分の意見を一方的に押し付けてくることが多いです。しかしながら、こうした共感の言葉を用いて、相手の視点を尊重する姿勢を見せることで、無意識に機嫌が悪い行動を和らげる効果が得られるかもしれません。共感を示すことで、対話が生まれやすくなり、夫婦関係の改善にもつながります。

「頼りになるね」「お願いできる?」 ― 尊重と信頼を表現する言葉

モラルハラスメントをする側は、自己肯定感が低いことが多いです。そこで、「頼りになるね」「お願いできる?」といった信頼を示す言葉を使うことが重要です。これらの言葉は、相手に頼りになる存在であるという肯定的な印象を与えることで、モラハラ行為の背景にある不安を和らげる可能性があります。相手が自身の価値を再認識することで、モラハラの発生頻度が低下し、良好な夫婦関係を築く一助となるでしょう。

ポジティブな言葉の使い方のコツ

言葉を選ぶときの注意点

ポジティブな言葉を選ぶときには、まず相手の立場や感情を考慮することが重要です。例えば、妻や夫がモラハラ行為を無意識にしている場合、その言動がもたらす影響を理解していないこともあります。ここで大切なのは、直接的に否定するのではなく、感謝や共感の言葉を活用して、相手を尊重する姿勢を示すことです。

「ありがとう」「さすが!すごいね!」といった感謝の言葉を日常的に用いることで、関係性を和らげる効果があります。しかし、相手の機嫌が悪いときや感情が高ぶっているときには、あまり相手の気持ちを刺激しないよう、言葉を慎重に選ばなければなりません。

状況に応じた言葉の選び方

夫婦関係において、状況に応じた適切な言葉の選び方は非常に大切です。例えば、夫や妻が仕事で疲れているときには、「頼りになるね」「お願いできる?」というような信頼を示す言葉が効果的です。これらの言葉は、相手を尊重し、自信を持たせる力があるため、モラルハラスメントを軽減するきっかけとなります。

また、何かを提案するときには、「なるほど」「そうだね」と共感を示す言葉を交えることで、夫婦間のコミュニケーションを円滑にし、信頼関係を築く助けとなります。こうした言葉の選び方は、日常会話で自然に取り入れるよう心がけ、相手の反応を観察しつつ、より良い関係を築いていくことが求められます。

沈黙と無視の使い道

モラハラの状況では、言葉だけでなく、沈黙や無視も有効な手段となります。相手の挑発に対して、冷静な態度を保ち、感情的な反応を避けるためにも、時として沈黙を選択することが賢明です。

しかし、これが繰り返されると相手をさらに怒らせる可能性があるため、使い方には注意が必要です。本当に対話が成立しない時や、相手があまりに感情的になりすぎた時には、一時的に距離を置くことが有効な場合もあります。無視を長期間続けることは避け、適切なタイミングで対話を再開することが大切です。

注意点と限界

逆効果になる場合

モラハラに効く言葉を使用する際には、慎重さが求められます。特に、意図せずに相手に負担やストレスを与えてしまう場合があり、それが逆効果となることがあります。

例えば、「ありがとう」という感謝の言葉も、相手がそれを皮肉や不誠実と受け取った場合、さらに険悪な状態を引き起こす可能性があります。また、モラハラの加害者が自己中心的である場合は、共感や称賛の言葉が彼らの行動を正当化してしまうこともあり得ます。このため、相手の反応を慎重に観察しながら言葉を選ぶことが重要です。相手を打ち負かすための言葉や、仕返しは、モラハラを一層悪化させる可能性がありますので、避けたほうがよいでしょう。

距離を置くことの重要性

モラハラ妻・夫との関係を改善するためには、時には距離を置くことが必要です。これは決して「別居」や「離婚」を強要するものではなく、自分を守るための一時的な措置として考えてください。距離を置くことで、モラハラの影響を一度冷静に見つめ直すことができますし、心の安らぎを少しでも取り戻す機会を作れます。自分の感情や考えを整理して、どのように相手と接するべきかわかることで、効く言葉を効果的に用いる準備ができるでしょう。

限界を感じた時の対処法

「効く言葉」を駆使して、コミュニケーションに改善が見られるまでには時間がかかりますので、ある程度根気よく続けていくことは大切です。しかし、いくらこちらが歩み寄っても一方通行で相手に歩み寄る気が全くない場合や、さらにモラハラが悪化する場合、頑張りすぎてあなたの心身に不調をきたす場合は、「これ以上一緒にいるのは辛い」と、別居や離婚を視野にいれることも選択肢の一つです。

また、長年のモラハラ被害の蓄積で、あなたに恨みの感情が溜まってしまっていたり、相手に仕返ししたい、打ち負かしたいと思うようになってしまっている場合、自身の心の健康を取り戻すためにも、加害者からは離れるという選択をすることが大切です。

まとめ

日常的に「ありがとう」などの感謝の言葉を忘れずに伝えることで、相手の不安感を和らげ、家庭内のコニュニケーションを活性化させることができます。このような言葉の力を借りて、日々の生活の中で少しずつモラハラの影響を和らげ、より良い夫婦関係を築き上げることができます。

しかし、夫婦関係の改善方法を試してみて、それでもうまくいかない場合や、相手に歩み寄る気が全くない場合は、夫婦関係を見直す時なのかもしれません。無理に「自分がもっと努力すれば」と思うことはありません。辛いときは、第三者に相談してみることが大切です。

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所長 弁護士 渡辺秀行(東京弁護士会)

特許事務所にて 特許出願、中間処理等に従事したのち、平成17年旧司法試験合格。
平成19年広島弁護士会に登録し、山下江法律事務所に入所。
平成23年地元北千住にて独立、法律事務所リベロを設立。


弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけています。離婚・DV・モラハラでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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所長 弁護士 渡辺秀行

  • 東京弁護士会所属
  • 慶応大学出身
  • 平成17年旧司法試験合格

弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
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