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夫から子の引き渡しを求める審判を申し立てられた事例
目次
妻の代理・・・審判開始から確定まで約1年半
夫の暴言,暴力等を理由に,妻が子供を連れて家を出て,その後,夫とは連絡を一切断っていたところ,夫が,①同居中に子供を監護していたのは,夫の方であり,妻が子供を連れて失踪したことは,監護親である夫から子供を奪取したに等しく,また②妻が,病弱な子供を十分に監護するのが困難であるのに対し,夫には安定した経済力があり,両親の援助もあって十分な監護体制を整えることができるなどとして,子の監護者を夫と定める審判,子の引渡を求める審判を起こしてきました。
裁判所は,「・・・,未成年者は現在の養育環境に適応して①相手方(妻)は,細やかに未成年者の心身の状況に配慮し,保育園とも緊密に連絡を取っている,②住環境は清潔に保たれ,未成年者の安全にも配慮されている,③食事について,栄養バランス,食事量ともに問題なく,身体も順調に生育している,④未成年者は,情緒面でも安定していることが観察されている,⑤未成年者の監護状況に問題は見られず,未成年者は現在の養育環境に適応している。」として,妻を監護者に指定しました。
夫側は,この審判を不服として,高等裁判所に即時抗告を申し立てましたが,棄却され,さらに高等裁判所の決定にも不服があるとして許可抗告を求めましたが,同抗告は許可されず,最終的に,妻を監護者とする審判が確定しました。