営業時間:平日9時〜18時
夫の控訴を棄却した事例
妻の代理・・・協議以来を受けてから最終的な判決が出るまで約3年半(調停・裁判期日 合計18回)
妻 会社員
夫 自営業
「自営業の売り上げが悪いから掛け持ちでもう一つ実家近くで仕事を始める。」と別居を提案し,妻もそれに理解を示し,それぞれ自分の実家へと戻ることになりました。しかし上記の理由は嘘で,夫は実家に戻らず不貞相手との同居を開始し,2人の子どもをもうけてしまいました。
妻としては離婚はしたくありませんでしたが,誰も住んでいないマンションの妻名義の住宅ローンを払い続けている状態を負担に感じ,その件を解決したい気持ちで離婚調停を申し立てました。
しかし,住宅ローン問題は解決しないまま調停は不成立に終わり,そればかりか妻が離婚調停を申し立てたこと,別居期間が長いこと,妻との間に子どもはいないが不貞相手との間には子どもがいること等を理由に,夫より離婚裁判を起こしました。
妻としてはあくまでも離婚調停は住宅ローン問題を解決するための手段として申し立てたこと,離婚はせずに住宅ローンを夫婦で負担し,婚姻関係を続けていきたいことを主張し続けました。
一審判決では,夫の不貞が原因で夫婦関係が破綻していることから夫は有責配偶者であり,仮に妻の側から離婚調停を申し立てていたとしても,「(妻が)1度離婚調停を申し立てたらその後翻意してはいけないということはなく,改めて離婚継続を望んだからといって,信義則に反するということはできない」として,夫からの離婚請求を棄却しました。
夫は,その判決を不服として控訴しましたが,東京高等裁判所でも,「自ら不貞行為に及んだ上,妻に隠れて子まで作り,嘘の理由を述べて別居を開始したという点において,非常に悪質である」,「離婚を認めた場合には,妻は,住宅ローンの負担が続く(自宅マンションを処分しても負債が残る)など,経済的苦境に置かれる」等として,夫の控訴を棄却しました。