【面会交流】面会交流調停においてよくご質問される事項を解説します【調停】

監修者:弁護士 渡辺秀行 法律事務所リベロ(東京都足立区)所長弁護士

監修者:弁護士 渡辺秀行

 法律事務所リベロ(東京都足立区)
 所長弁護士

当事務所では離婚のご相談を良くお受けしますが,それに伴い面会交流について質問されることもあります。
お子様がいらっしゃる夫婦の離婚において,調停や裁判で離婚する場合面会交流は必ずと言って良いほど議題に上がります。
今回は,面会交流についての基礎知識や,依頼者の方からよく質問される事項について解説したいと思います。

目次

面会交流の基礎知識

面会交流とは一般的にこのように定義されています。

面会交流とは,離婚後又は別居中に子どもを養育・監護していない方の親が子どもと面会等を行うこと。

面会交流調停の申立

面会交流の協議については基本的に双方親が話し合いをして決めますが,監護親と非監護親の関係が悪化していると,なかなか建設的な話し合いをすることが困難なことが多いと思います。
また,なんとか話し合いで約束事を決めたとしても,それが守られないことも多々あります。

そこで,きちんと約束事を守ってもらうためにも,家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てるのがいいでしょう。
既に,家庭裁判所に離婚調停が申し立てられている場合には,その中で面会交流の話し合いをすることも出来るため,面会交流の調停を申し立てる必要がないと思われがちですが,別途,面会交流の調停を申し立てるのが良い場合もあります。

離婚調停とは別に面会交流調停を申し立てた方がよい理由

面会交流の調停が申し立てられていない場合には,離婚調停が決裂した段階で,面会交流の話もそれ以上出来なくなってしまったり,お互い面会交流の条件で一致しない場合に,裁判所が審判(裁判所が面会交流の条件を決める)をしてくれないからです。

面会交流は面会交流を希望する非監護親の側から申し立てるのが一般的ですが,監護親の側からも申し立てることが出来ます。

監護親から面会交流を申立てるケース

監護親から面会交流を申し立てるケースとして以下のような場合があります

  • 非監護親から必要以上に面会交流を求められ困っている場合
  • 非監護親と面会交流の条件の折り合いがつかない場合
  • 既に一度裁判所で面会交流の条件を定めたものの,その後事情が変更し,その条件を変更したい場合
  • 非監護親の側では面会を希望していないものの,監護親の方から子と面会して欲しい場合(稀なケースです)

実際,平成19年7月19日,さいたま家庭裁判所は,子が面会を希望しているとして,離婚後,親権者である母から父に対して,面会交流を求めた事案ですが,
父母の離婚から6年を経過しているものの,家庭内の不和が生じてから離婚に至るまで及び離婚後の過程における葛藤は根深いものがあり,面会交流を早急に実施することは,父母双方にとって精神的負担を負わせることになり,子の心情に必ずしも良い影響を与えられるとは言い切れないとして,当分の間,夫から子に宛てた手紙を年4回,3ヶ月ごとに書くことを命じました。

面会交流でよくある質問

リベ子

面会交流において,ご依頼者からよく頂く質問を,事例を交えて解説しました!

Q1 面会交流調停に出席しないとどうなりますか?

面会交流に応じたくないという理由で調停に出席しない人もいますが,面会拒否の理由等を裁判所に分かってもらうためにも,調停の場に出席して直接説明することが重要です。
一切,調停に出席せず,裁判所の調査にも非協力的な場合,申立人(非監護親)からの情報のみで審判が出されてしまい,子にとっても良くない結果となってしまう可能性があります。

そこで,裁判所としては,相手方(監護親)の電話番号が判明している場合には電話で連絡を取るなど出頭を促しています。裁判所が何度か呼び出しても出頭せず,出頭の見込みが明らかでない場合には,家庭裁判所調査官が書面や電話で出頭勧告を行います

Q2 離婚後非監護親と縁を切りたいと考えています。なぜ面会交流に応じる必要があるのですか?

面会交流は、子の健全な成長を目的として認められるものですから、基本的に一存で拒否することはできません。
非監護親からも愛されていると感じることは,父母の別居や離婚に伴う悲しみや喪失感といった否定的な感情を和らげ,子に深い安心感,自己肯定感を与えるだけでなく,別居や離婚から生じる様々な変化を乗り越える力を与えることになると考えられています。
両親の離婚や別居は,それまで愛情を注いでくれていた親の一方がなくなることによって,子が摂食障害や,抑うつ状態になることがあります。また,両親の別居等を自分の責任のように感じたり,親に捨てられたと感じて,非監護親を憎んだりすることもあります。
そういったことを防ぐためにも,継続的な面会交流が必要と考えられています。
しかし、

  • 非監護親が子どもを虐待している、あるいは過去にしていた。
  • 子どもを連れ去るおそれが高い
  • 非監護親が監護親へ暴力を奮っていた
  • 一定以上の年齢の子どもが自分の意思で面会を拒絶している

等、子供の生育に悪影響となると判断された場合は、「面会交流を実施すべきではない」と判断するケースもあります。

Q3 祖父母は面会交流調停を申し立てることができますか?

祖父母が,孫に会いたいということはよくありますが,そうした申立ては認められるのでしょうか?
それについては,令和3年3月29日に最高裁判例が出て,祖父母には面会交流の調停を申立てる権利がないと判断されました。それは,祖母が事実上母親の代わりをするなど,子と親愛な関係にある場合も同様です。

ただし,面会交流調停とは別の,家庭に関する一般事件(親族間紛争調整調停)として,面会交流を求めることは認められています。

この2つの調停は何が違うかというと,面会交流の調停では,調停での話し合いが決裂した場合には,裁判所が審判という形で面会交流の取り決めを定めてくれます。
しかし一般調停の場合には,話し合いが決裂しても裁判所は審判をしてくれません。従って,一般調停の場合,話し合いが決裂すると面会交流は認められないのです。また,一般調停では,相手が調停に欠席した場合,話し合い自体が出来ませんので,面会交流は認められません。

Q4 きょうだいが分離して生活している場合に,子がきょうだいに会いたいといって,面会交流の調停を申し立てられますか?

例えば,離婚した父母に長男と長女がおり,長男の親権者が父,長女の親権者が母とされた場合,長男が母に対し,長女と面会交流することを求めることが出来るかですが,祖父母の場合と同様,認められません。
しかし,分離しているきょうだいは,できるだけ交流させることが望ましいと考えられています。

そこで,母と長男との面会交流,父と長女との面会交流の調停を同時に実施すれば,その際,きょうだい同士,交流が出来ますので,親子間の面会交流の調停を利用して,きょうだい間の交流の話し合いをすることになります。

実際,私が扱った事件でも,ある月は,母と長男との面会交流を行い,それに二男が立ち会えるとし,翌月には,父と二男とが面会交流を行い,それに長男が立ち会えるとし,親子間の面会交流は2ヶ月に1回,きょうだい間の交流は1ヶ月に1回の割合で認められました(東京高等裁判所令和5年10月5日決定)。

Q5 面会交流調停では面会は原則認められるという前提で進められるのでしょうか?

かつては面会交流は原則認められるという方針で調停が進められていました。
このような方針は,平成20年前後頃から東京家庭裁判所を中心に実務で採用され始め,これが全国的にかなり浸透していました。実際,私も多くの調停でそういった経験をしました。

しかし,これは,最高裁事務総局家庭局が,多発している面会交流事件の早期迅速処理のために普及させたもので,子の利益を実現するためではなかったと言われています。
つまり,裁判所は,自分達が事件を早く処理させたいということから,原則実施論という理論を造り,それを浸透させていたようなのです。

しかし,これは,多くの批判を受けて,裁判所もその方針を改めてました。特に東京家庭裁判所では,原則面会交流論に従っているとの批判を受けないよう,監護親,非監護親のいずれの側にも偏らないよう,中立な立場で,調停に臨むようにしています。

Q6 面会交流に応じない場合,親権者や監護者を決める際に不利になるのですか?

親権者,監護者を決める際,面会交流に対する態度をどれだけ考慮するかは事案によって異なりますが,最近では,面会交流を全く拒否することは,親権者等としての適格性に疑問があるとする考え方も有力です。
ですので,不当に面会交流を拒否することは,不利に働くことがあります。

実際,平成25年12月4日,福岡家庭裁判所は,妻が面会交流を快く思っておらず,子に面会を楽しむことに罪悪感を覚えさせるような言動を繰り返していたため,面会交流が失敗するようになっていた事案で,「申立人(父)と事件本人(子)との関係が良好であったことに照らせば,相手方(妻)の態度変化を促し,事件本人(子)の申立人(父)に対する拒否的な感情を取り除き,円滑な面会交流の再開にこぎつけることが子の福祉にかなう」として,親権者を妻から夫に変更しました。

Q7 面会交流の取り決めがされる前に,保育園や学校等で子に面会出来ますか?

面会交流権は,あくまで,父母で合意がなされた場合または裁判所が裁判で認めた場合に,具体的な権利となると考えられています。
そのため,父母の合意がなされる前あるいは裁判がなされる前の面会は禁止されています。
合意のない面会交流を行ったり,試みることは,ルールに違反するとして,将来にわたり面会交流が禁止されることになりかねませんので,絶対に止めましょう。

実際,平成14年10月31日,東京家庭裁判所は,夫が,離婚調停や離婚裁判中に,10数回,子と面会するために,妻に事前連絡することなく突然保育園に訪れ,保育園の指示に従わず,威圧的な態度によって保育園側を困惑させていた事情などを踏まえ,夫による面会交流の申立てを却下しています。

面会を希望する場合は速やかに面会交流の調停を申し立てて,その中で,話し合うのがいいでしょう。
また,どうしても待てないような場合には,とりあえずは,写真やビデオを送付してもらったり,電話や,ZOOM等を活用したオンラインでの交流の交渉を進めてみるのも良いかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
面会交流は,子どもは双方の親に愛されていると実感して育つことで,自己肯定感が養われます。
ですから,特別な理由がない限りは監護親の都合で非監護親に面会させることを拒否したりせず,子どもの成長のために実施することがよいと思います。

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法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行(東京弁護士会)

特許事務所にて 特許出願、中間処理等に従事したのち、平成17年旧司法試験合格。
平成19年広島弁護士会に登録し、山下江法律事務所に入所。
平成23年地元北千住にて独立、法律事務所リベロを設立。


弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけています。離婚・DV・モラハラでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行

  • 東京弁護士会所属
  • 慶応大学出身
  • 平成17年旧司法試験合格

弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけています。

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