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暴力より危険?!夫・妻の暴言が気になる方へ。モラハラ言葉一覧と子どもへの影響【チェックリスト付き】
モラルハラスメント、略してモラハラとは、言葉や態度による精神的暴力や嫌がらせを指します。具体的には、相手の人格を否定する発言や、脅し、罪悪感をあおる言動が含まれます。
例えば、「お前には価値がない」、「役立たず」、「デブ」、「頭が悪い」などの発言例が典型的です。これらのモラハラ発言は、被害者の自尊心を傷つけ、精神的に追い詰める効果があります。
しかし、日常的にモラハラ発言を受けていたり、家庭内で暴言が飛び交っていると、その言葉に慣れてしまい自分が傷ついていることすら自覚できなくなってしまいます。
このコラムでは、当事務所で取り扱った事案からモラハラ加害者のよくある発言例を解説します。チェックリスト付きなので、ご自身のケースに当てはまるかチェックしてみてください。
モラルハラスメントの定義
モラルハラスメント、略してモラハラとは、言葉や態度による精神的暴力や嫌がらせを指します。具体的には、相手の人格を否定する発言や、脅し、罪悪感をあおる言動が含まれます。
例えば、「お前には価値がない」、「役立たず」、「デブ」、「頭が悪い」などの発言例が典型的です。これらのモラハラ発言は、被害者の自尊心を傷つけ、精神的に追い詰めてしまいます。
暴力より危険!?暴言が脳に及ぼす影響
身体的暴力は、身体に直接的な傷を与える行為ですが、モラハラは主に言葉や態度を通じて精神的に相手を傷つけます。
身体的暴力は見た目にわかりやすい形で傷が残りますが、モラハラは外見からは見えにくいものの、長期間にわたり被害者に深刻な影響を与えます。
そのため、その悪影響に気づきにくく、一層深刻な問題となることがあります。被害者は自分自身が悪いのではないかと思わされることも多く、その結果、精神的に追い詰められることが多いです。
身体的DVの目撃よりも「言葉によるDV」の目撃の方が子どもの脳のダメージが大きい
暴言を吐かれても「手をあげられる訳ではないし・・・」「殴られるよりはマシ」と思っていませんか?
実は、子供の面前DVの影響を調べる研究では、言葉によるDV(「クズ」「バカ」「ゴミ」「お前なんか生まれてこなければよかった」「お前は何をやらせてもダメだな」等)を目撃してきた人のほうが、身体的DVを目撃した人より脳のダメージが大きいことが分かっています。
暴言が子どもに及ぼす影響
- 面前DVを受けた子どもの脳は、受けてない子どもに比べ、視覚野の一部で夢や単語の認知に関係する舌状回の容積が、身体的DVの目撃は3.2%の減少に対して、言葉によるDVの目撃は19.8%の減少と6倍にもなっていた。
- 身体的虐待・精神的虐待とトラウマ反応との関連を調べた研究では、身体的虐待やネグレクトを受けた人よりも、親のDVを目撃し、かつ自分も言葉でののしられた人のほうが、トラウマ症状が重篤であった(Polcari,2014 :Teicher et al.,2006)。
- 暴言による虐待を受けた子どもの脳は、スピーチや言語、コミュニケーションに重要な役割を果たす、大脳皮質の側頭葉にある「聴覚野」の一部の容積が増加しており、脳に余計な負荷がかかることが考えられる(Tomoda et al,2011)。
モラハラ発言の具体例
日常会話に潜むモラハラ発言
日常生活の中でも、何気ない会話が実はモラルハラスメント(モラハラ)であることがあります。例えば、「こんなことも分からないの?」という言葉は、相手の能力を否定し、自尊心を傷つける可能性があります。
また、「あなたのためを思って言ってるんだ」というフレーズは、一見親切そうですが、相手の行動や考えを支配しようとする態度が見え隠れします。これらの発言は、発言者が無意識であったとしても、受け取った側に精神的なダメージを与えることが多いです。
職場でのモラハラ発言
モラルハラスメントは職場でもよく見られます。上司が部下に対して「こんな簡単なこともできないの?」や「お前は本当に役立たずだ」といった発言をすることがあります。
これらの言動は、パワハラと呼ばれることもありますが、いずれも精神的な暴力に該当します。チームメンバーに対する無視や過度な責任転嫁も、職場のモラハラの一例です。モラハラが頻繁に行われる職場環境は、働く人々の精神的健康を損ね、パフォーマンスの低下をもたらします。
家庭内でのモラハラ発言
家庭内でもモラハラ発言はよく見られます。夫が妻に対して「もっと家庭を大事にしろ」と言ったり、「誰のおかげで生活できてると思っているんだ?」と発言することがあります。これらは妻の自尊心を傷つけ、行動を制限することを目的としています。
また、妻が夫に対して「あなたは本当に何もできない人ね」といった否定的な言葉を使うことも、モラハラに該当します。家庭内のモラハラは、被害者が孤立しやすく、加害者の態度や言動を正当化してしまう傾向があります。
モラハラチェックリスト
当事務所が取り扱った事件の中で実際にあったモラハラ発言の例をもとに、チェックリストを作成しました。ご自身に当てはまっているかどうか、チェックを入れて確認してみてください。自分自身や関係者の言動や態度を客観的に評価することで、モラハラのサインを早期に発見することができます。
人格を否定し、相手の自尊心を傷つける
脅しや威圧的な言葉を使う
責任をなすりつけ、罪悪感を煽り、支配する
モラハラと夫婦げんかの違い
結婚生活を長く送っていると、喧嘩してしまったり、時には相手に不機嫌や不満をぶつけてしまい、相手を傷つけてしまうこともあると思います。では、モラハラと夫婦げんかの違いは何でしょうか?
反省がない
モラハラ的な言動をしてしまうことは誰にでもあります。しかし、モラハラでない人は「あんなことしなければよかった」と反省します。しかし、モラハラ加害者は自分を省みることは決してしません。責任を感じて自分を見つめ直すことに耐えられない加害者は、何か問題が起こったときに必ず他の人間に責任を押しつけます。
支配関係がある
モラハラ加害者の言動の根底には、「被害者を支配しコントロールする」という確固たる意思があります。ことあるごとに「お前はバカだ」「お前はつまらない人間だ」「お前は生きている価値がない」というメッセージを被害者へ投げつけ、被害者の自尊心を奪います。そうして精神が弱められ、抵抗力を失った被害者は、加害者の支配を受け入れるようになります。夫婦げんかの場合、たとえ言い争いになっても、お互いが対等の立場であり、相手に対して恐怖を感じることはありません。
一方通行の攻撃である
モラハラは単なるいじめです。モラハラ加害者は被害者を傷つけることをなんとも思っていませんし、自分は正しいことをしていると思っています。夫婦げんかの場合、ヒートアップしてしまってもお互いの地雷を踏まないようどこかで手加減をしますし、喧嘩を終わらせるタイミングや妥協点を探り合います。お互いの不満のすり合わせるための喧嘩であり、相手の人格をたたきのめすことが目的ではありません。
しかし、モラハラ加害者は被害者とのトラブルを意図的に作り出します。そして相手には、なぜ怒っているのかの理由を伝えず、被害者を不安に陥れます。「いつ、何をされるかわからない」という恐怖を与えることで、被害者を支配してきます。
原因に一貫性がなく、いつ怒り出すのか分からない
夫婦げんかの場合、お互いのされたら嫌なこと(例えば「脱いだ服をそのままにしておく」とか、「お金を使いすぎる」)をしてしまった場合が原因になることが多く、それをすり合わせることによって、「これをされたら相手が嫌がるんだな」と行動を気をつけることができます。
しかし、モラハラ加害者の場合は、「俺・私が気に入らない」という気分によって相手を攻撃するので、被害者にとっては何が原因で加害者が怒り出すのかわかりません。そのため、いつも被害者はビクビクしてしまうのです。
まとめ
自分がモラハラを受けていても、「夫婦げんかくらい他の家庭でもある」と、自分の気持ちに蓋をして我慢し続けてしまう方も多いです。相手と口論になり、言いくるめられたときに、「相手は私が悪いと言っているけれど、相手の言い分がどうしてもどこかおかしい気がする。」と違和感を覚えたら、その違和感を放置せず、第三者や専門家に相談してみることをお勧めします。感じる「違和感」は、あなたの本能が直感的に出している救難信号です。
モラハラ加害者は弁が立ちますので、とても論理的な話し方をします。理詰めで言いくるめられてしまうことがあり、一見筋が通っているように感じてしまうことがあります。
そんな時は、モラハラ加害者の「行動」にだけ注目してみてください。その行動は、実はとても幼稚で自分勝手ではありませんか?
モラハラ加害者の洗脳が進むと、その違和感すら感じることが出来なくなってしまいます。それは長年のモラハラによって精神が壊されてしまうからです。そうなる前に、ぜひ一度専門家へご相談されることをおすすめします。
法律事務所リベロでは、DVモラハラ事件に携わって17年の所長弁護士がご相談をお受けしております。モラハラのやり口を熟知しておりますので、DVモラハラや相手の暴言にお悩みの方はお気軽にご相談ください。