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暴力より危険?!夫・妻の暴言が脳に与える影響とモラハラ言葉一覧

監修者:弁護士 渡辺秀行 法律事務所リベロ(東京都足立区)所長弁護士

監修者:弁護士 渡辺秀行

 法律事務所リベロ(東京都足立区)
 所長弁護士

  • 言葉での攻撃、「暴力を振るうわけじゃないし・・・」と見逃していませんか?
  • 夫(妻)の言葉に傷ついていませんか?

暴力は見た目に傷が残りますが、モラハラの言葉は気づかないうちに心や脳に深刻なダメージを与えます。

「お前はバカだ」「何回言わせるんだ」「お前なんかいなきゃよかった」—このような言葉を日々聞いていると、精神的な健康にどれほど影響が出るか考えたことはありますか?

さらに、面前DVがある場合、子どもの脳にも深刻な影響を与えることが分かっています。大人同士の暴言が目の前で繰り返されると、そのダメージは思っている以上に深刻です。

この記事では、当事務所のモラハラ加害者が実際に発言していたモラハラ言葉一覧と、暴言や面前DVが脳に与える影響について解説します

目次

モラハラとは?

モラルハラスメント、略してモラハラとは、言葉や態度による精神的暴力や嫌がらせを指します。具体的には、相手の人格を否定する発言や、脅し罪悪感をあおる言動が含まれます。

例えば、「お前には価値がない」、「役立たず」、「デブ」、「頭が悪い」などの発言例が典型的です。これらのモラハラ発言は、被害者の自尊心を傷つけ、精神的に追い詰めてしまいます。

モラハラ発言の具体例

日常会話に潜むモラハラ発言

日常のちょっとしたやり取りの中にも、「あれ?なんか引っかかるな…」と感じる言葉がありませんか?
一見すると普通の会話に見えるけれど、相手の心をじわじわと傷つけるような発言はモラハラの兆候かもしれません。

①どんな状況でも「俺優先」彼氏

遅くない?俺、ちゃんと時間通りに来てるのに。

ごめん、ちょっとだけ道が混んでて…

道が混んでたとしても、もっと早めに出ればよかったのに。俺を待たせるのはちょっとよくないな。

そんなつもりじゃなかったんだけど…

まぁ、次からはもっと気をつけてね。俺は待つの嫌いだからさ。

②「価値観押しつけ」彼氏

うーん、その服、なんかちょっと微妙だな。俺が選んだほうがよくない?

でも、これ結構お気に入りなんだよね。

いや、でも見た目、俺の好みに合ってないから、ちょっと変だよ。

そんなにダメかな…?

ダメっていうか、もっと俺の好みに合わせた方が、もっと可愛く見えると思うよ。

③「愛してるなら当然でしょ?」彼女

ねぇ、あの女の人から連絡来てたけど、なんで返信してるの?

え?職場の人だよ。仕事の話だし…

でも私、あの人苦手って言ったよね?私の気持ち無視するんだ?

無視してるわけじゃなくて、仕事だから…

じゃあさ、私と仕事、どっちが大事なの?好きなら、私が嫌がることはやめてくれるよね?

……そんなつもりじゃ…

もういい。私のこと、大切に思ってないのが分かった。

家庭内でのモラハラ発言

家庭内でもモラハラ発言はよく見られます。例えば、夫が妻に対して自分の意見を強く押し付けることで、妻の自尊心を傷つけたり、行動を制限しようとすることがあります。

また、妻が夫に対して否定的な言葉を使い、相手の自信を削るような言動を取ることもモラハラに該当します。
家庭内でのモラハラは、被害者が孤立しやすく、加害者の態度や言動を正当化してしまう傾向があります。

①理解ゼロの「理不尽要求」夫

「また泣いてんじゃん、うるせぇな。早く泣き止ませろよ。

ずっとあやしてるけど、何しても泣き止まなくて。何でだろ・・・。

は?そんなのも分かんないの?母親のくせに。母親失格だな。

・・・

子どもが泣くのって、結局お前のせいなんだよ。お前がちゃんとしてないからだろ。

②ちょっとしたミスで人格否定「全部ダメ出し」妻

は?ゴミの出し方すら覚えてないの?何年一緒に暮らしてると思ってんの?

ごめん、明日がプラの日だと思ってて…

ほんっとに何もできないんだね。情けない。あんたってホント使えないよね。

③すぐ暴言を吐く「大人げない」夫

ねぇ、今月少しお金が足りないんだけど、生活費もう少し渡してほしいな…

お前、ほんっと使えねぇな。どうしてそんなに無駄遣いしてんだよ。バカか?

そんなつもりはなかったけど…

つもりとか関係ねぇよ。お前がクズだから、金が足りなくなるんだよ。

そんな言い方しなくても…

無駄に言い訳してる暇あったら、金の使い方を考えろ。ゴミ女が。

④罪悪感で相手を支配する「被害者アピール」妻

私がどれだけあんたのために我慢してるか、わかってんの?

そんなつもりはなかったけど…

いいよね、あんたは自由で。私はずっと我慢してるのに。あんたのせいでこうなってんのよ!!

モラハラと夫婦げんかの違い

結婚生活を長く送っていると、喧嘩してしまったり、時には相手に不機嫌や不満をぶつけてしまい、相手を傷つけてしまうこともあると思います。では、モラハラと夫婦げんかの違いは何でしょうか?

非を認めない、謝らない

モラハラ的な言動は誰にでも起こり得ますが、モラハラでない人は反省し、謝罪します。

しかし、モラハラ加害者は自分を省みることがありません。
責任を感じて反省することに耐えられないため、問題が起こると他人や状況に責任を押しつけ、自分の非を認めません。
反省の欠如が、加害者の支配や暴言を続けさせる原因となります。

支配関係がある

モラハラ加害者は、被害者を支配しコントロールすることを目的としています。

「お前はバカだ」「価値がない」といった言葉で自尊心を奪い、精神的に弱らせます。
これにより、被害者は加害者の支配を受け入れるようになります。

夫婦喧嘩では、互いに対等な立場であり、恐怖を感じることはありませんが、モラハラの場合は常に恐怖と支配が存在します。

一方通行の攻撃である

モラハラは一方通行の攻撃です。
加害者は被害者を傷つけても何とも思わず、自分が正しいと信じています。

夫婦喧嘩では、両者が互いの地雷を避け、妥協点を探りますが、モラハラ加害者は意図的にトラブルを作り出し、理由を伝えずに相手を不安にさせます。
被害者は「いつ、何をされるかわからない」という恐怖で支配され続けます。

怒りの原因が不明確で、何が引き金になるかわからない

モラハラ加害者は、感情の波によって怒りを爆発させるため、被害者には原因がわかりません。

夫婦げんかの場合、お互いに嫌なことをしてしまったり、意見が食い違ったりすることが原因となり、それをすり合わせることで問題が解決します。

しかし、モラハラ加害者はそのような合理的な理由ではなく、「自分が気に入らない」という理由で攻撃してきます。
これにより、被害者は常に何が原因で怒られるのか予測できず、不安や恐怖を感じることになります。

暴力より危険!?暴言が脳に及ぼす影響

モラハラは言葉や態度で精神的に傷つけるもので、身体的暴力とは異なり、外見には現れません。
しかし、長期間にわたり深刻な影響を与え、被害者は自分が悪いのではないかと感じることが多くなります。

見た目にはわかりにくいものの、その精神的ダメージは非常に大きく、気づきにくい分、深刻化することがあります。
モラハラの影響を受けた人は、徐々に精神的に追い詰められていくのです。

面前DVは「暴力」よりも「暴言」の方が脳にダメージが大きい

面前DVとは、子どもの目の前で配偶者に対し暴力や暴言を行うことです。面前DVは子どもへの虐待であり、「夫婦げんか」も面前DVとされています。

実は、子供の面前DVの影響を調べる研究では、言葉によるDV(「クズ」「バカ」「ゴミ」「お前なんか生まれてこなければよかった」「お前は何をやらせてもダメだな」等)を目撃してきた人のほうが、身体的DVを目撃した人より脳のダメージが大きいことが分かっています。

暴言や面前DVが子どもに及ぼす影響

  • 面前DVを受けた子どもの脳は、受けてない子どもに比べ、視覚野の一部で夢や単語の認知に関係する舌状回の容積が、身体的DVの目撃は3.2%の減少に対して、言葉によるDVの目撃は19.8%の減少6倍にもなっていた。
  • 身体的虐待・精神的虐待とトラウマ反応との関連を調べた研究では、身体的虐待やネグレクトを受けた人よりも、親のDVを目撃し、かつ自分も言葉でののしられた人のほうが、トラウマ症状が重篤であった(Polcari,2014 :Teicher et al.,2006)。
  • 暴言による虐待を受けた子どもの脳は、スピーチや言語、コミュニケーションに重要な役割を果たす、大脳皮質の側頭葉にある「聴覚野」の一部の容積が増加しており、脳に余計な負荷がかかることが考えられる(Tomoda et al,2011)。

モラハラ夫・妻の言葉一覧【チェックリスト】

当事務所で取り扱った事件の中で、実際にモラハラ加害者が言っていた暴言の例をご紹介します。これらの言葉は立派なモラハラ発言です。

このような言葉を言われたことはありませんか?チェックしてみてください。

人格を否定する暴言

これらの発言は、相手を一人の人間としてではなく、無価値な存在として扱っている典型的な例です。
自己肯定感を大きく損ない、自信を喪失させ、長期的に精神的なダメージを与える原因となります。

脅しや威圧的な言葉

脅しの言葉は物理的な暴力と同じくらい危険です。威圧的な言葉を使うことで、相手に恐怖を感じさせ、支配を強めることができます。これは心の中に恐怖を根付かせ、相手の行動を制限させる手段となり得ます。

また、以下のような言葉は「加害の告知による脅迫」として、被害者は保護命令の申立ての対象となります。

保護命令申立ての対象となる脅迫

加害の対象言葉の例
生命殺してやる
身体腕をへし折ってやる、殴るぞ
自由一生ここから出さないからな
名誉ネットに公表してやる、ネットで写真をばらまいてやる
財産お前の家を燃やしてやる

責任転嫁・罪悪感を煽る

これらは相手に責任を押し付け、全ての問題を自分以外に求める典型的なモラハラ行為です。相手が抱える罪悪感を増幅させ、自己肯定感をさらに低下させることで、支配が強化されていきます。

まとめ

モラハラを受けていても「夫婦げんかだから」と我慢してしまうことがあります。

しかし、相手の言い分に違和感を感じたら、その違和感を無視せず、第三者や専門家に相談してみましょう。

違和感は本能からの警告です。モラハラが進むと、その感覚さえも鈍くなってしまいます。精神的に追い詰められていろいろな影響がでる前に、早めに専門家に相談することをお勧めします。

リベ子

モラハラ加害者は論理的に話し、理詰めで相手を言いくるめることがあります。見た目は筋が通っているように感じるかもしれませんが、その時は加害者の「行動」に注目してみてください。実は、その行動は幼稚で自己中心的なことが多いです。

法律事務所リベロの
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  • 当事務所はお受けする離婚事件の7、8割がDVモラハラ事件です。豊富なノウハウと実績があります。
  • 離婚事件に携わり17年の所長弁護士が、ご相談からアフターフォローまで責任を持って対応いたします。
  • 遠方の方・お子様がいて来所が難しい方はお電話でのご相談も対応いたします。
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所長 弁護士 渡辺秀行(東京弁護士会)

特許事務所にて 特許出願、中間処理等に従事したのち、平成17年旧司法試験合格。
平成19年広島弁護士会に登録し、山下江法律事務所に入所。
平成23年地元北千住にて独立、法律事務所リベロを設立。


弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけています。離婚・DV・モラハラでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行

  • 東京弁護士会所属
  • 慶応大学出身
  • 平成17年旧司法試験合格

弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけています。

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