言葉なく静かなモラハラ~サイレントモラハラとは~

「サイレントモラハラ」という言葉を聞いたことはありますか?
一般的にモラハラといえば暴言や罵倒などの言葉の暴力を思い浮かべる人が多いですが、サイレントモラハラ(静かなモラハラ、サイレントDV)はそれとは違います。
直接的な言葉や行動がなくても、空気や雰囲気で相手を追い詰め、精神的に支配するモラハラです。
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目次
サイレントモラハラとは?

サイレントモラハラ(静かなモラハラ、サイレントDV)とは、言葉や暴力で直接攻撃しないのに、態度や空気で相手を追い詰める嫌がらせです。
- 不機嫌な態度で相手の心を惑わせる
- 相手が自分の責任を感じるように誘導する
- そっけない態度や無言で心理的圧力をかける
こうした空気感によるモラハラは、被害者が自分が追い詰められていると気づきにくいのが特徴です。
日常生活で「なんとなく居心地が悪い」「相手の機嫌をうかがってしまう」と感じる場合、サイレントモラハラの可能性があります。
サイレントモラハラの特徴
サイレントモラハラ(静かなモラハラ、サイレントDV)に該当する行為には、次のようなものがあります。
- 話しかけても無視される
- 聞こえるようにため息や舌打ちをする
- 不機嫌な表情をする
- 何も言わずに睨む
- そっけない態度をとる
- 返事をしない
- ひとり言のように文句や不満を言う
サイレントモラハラは、直接的な暴言や攻撃がないため、「これってモラハラ?」と判断しにくいことが特徴です。
それでも、相手の重たい空気や不機嫌な雰囲気で息苦しさを感じる場合は、サイレントモラハラの被害を受けている可能性があります。
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サイレントモラハラの心理
サイレントモラハラを行う人の中には、受動攻撃性パーソナリティ障害(パッシブ・アグレッシブ)の傾向がある場合があります。
受動攻撃性パーソナリティ障害とは
- 怒りや不満を直接ぶつけず、相手を困らせる行動で反抗を示す
- 無視などの受動的行動で心理的に相手を支配する
要するに、暴力や暴言を使わずに無視や不機嫌で相手を不安にさせ、自分の思い通りにコントロールするのです。
その原因
- 幼少期に感情を直接表現できない環境で育った
- 控えめな性格で、怒りを直接表現することが苦手
健康的な人であれば、無視や不機嫌を撒き散らさず、配慮しながら自分の気持ちを伝えます
しかしモラハラ加害者は、思い通りにいかないと無視や不機嫌で相手に心理的な「罰」を与える傾向があります。
サイレントモラハラの問題点

サイレントモラハラの怖さは、直接的な暴言や罵倒がほとんどないことです。
そのため、被害者は自分がモラハラを受けていると自覚しにくくなります。
- 「ただ機嫌が悪いだけかも」
- 「自分のせいでまた機嫌を損ねたのかも」
と、罪悪感を抱きやすくなるのも特徴です。
さらに、加害者は外では良い顔をすることが多く、周囲からは分かりにくいため、理解してもらえず孤立しがちです。
日常的にため息や舌打ち、不機嫌な表情をされ続けると、顔色や機嫌をうかがって生活するようになり、精神的なダメージがどんどん蓄積していきます。
サイレントモラハラを理由に離婚したいときの注意点
サイレントモラハラを理由に離婚を考える場合は、感情に流されず冷静に準備することが大切です。
- 感情的にならない
まずは状況を整理し、冷静に対応することが重要です。 - 証拠を集める
サイレントモラハラは無言や態度で行われることが多く、証明が難しいため、日記やLINEスクショ、録音など客観的な証拠を用意しましょう。 - 専門家に相談する
モラハラに強い弁護士や離婚カウンセラーに相談することで、適切なアドバイスとサポートが受けられます。 - 子どもの問題も早めに検討
親権や養育費、面会交流など、子どもに関わる問題も早い段階で整理しておきましょう。
ポイントは、相手の態度に振り回されず、着実に準備を進めることです。
これが、サイレントモラハラを理由にした離婚を成功させる鍵になります。
サイレントモラハラの協議離婚は難しい
サイレントモラハラ(は、加害者自身がモラハラだと自覚していないことが多く、話し合いを避ける傾向があります。
そのため、協議離婚は非常に難航しやすいです。
- 無視や冷たい態度を続ける
- 建設的な話し合いができない
こうした場合、協議離婚での解決が難しく、家庭裁判所での調停や裁判に進むことが多くなります。
サイレントモラハラを理由に離婚するには
サイレントモラハラを理由に離婚を成立させるには、次のステップが重要です。
STEP
証拠を集める
サイレントモラハラは目に見える暴力ではないため、日記・LINEやメールのスクリーンショット・無視された録音など、客観的な証拠をしっかり準備しましょう。
STEP
離婚理由を整理する
「無視され続けて精神的に追い詰められた」「夫婦関係が破綻した」など、法律上の離婚理由(民法770条)に沿って整理しておくことが大切です。
STEP
弁護士に相談する
サイレントモラハラは立証が難しいため、離婚交渉や裁判に備えて、モラハラに強い弁護士に相談しサポートを受けましょう。
STEP
協議→調停→裁判の流れを意識する
協議離婚が難航する場合は、家庭裁判所での調停、さらに裁判へ進むことも視野に入れましょう。
ポイントは、感情論に流されず、客観的な証拠と論理的な主張で進めることです。
サイレントモラハラはモラハラの証明が難しい
調停や裁判で離婚する場合には、サイレントモラハラを証明できる証拠が必要です。
しかしサイレントモラハラは特定の行動や非言語的な態度が多いため証拠を残すことが難しいです。
被害者が訴えても、加害者は「やってない」「記憶にない」とモラハラが認定できないという事態も想定できます。
サイレントモラハラの証拠となり得るもの
・モラハラ行為を詳細に書いた日記やメモ(日時や場所もあると良い)。
・モラハラ行為を動画に残す。
サイレントモラハラは録音は難しいですが、動画でモラハラの動作や行動を残すと有力な証拠となります。
・モラハラ行為があるメールやライン等。
・モラハラが原因で精神科に通院した場合、通院履歴や診断書も証拠となり得ます。
モラハラで離婚する場合、証拠がとても重要です。
離婚を考える場合、日頃から証拠を集めておく必要があります。
サイレントモラハラに悩まれている場合、弁護士にご相談下さい。

サイレントモラハラは一般的なモラハラ以上に陰湿といっても過言でありません。
言葉もなく相手を静かに追い詰め、被害者側に自分が悪かったと思わせ、自分は正しいという認識でいます。
暴力を受けたり、罵倒されている訳じゃないから・・・と考えいる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、パートナーといるのが辛い、苦しいと思う場合には、モラハラ被害にあっている可能性が十分に考えられます。
少しでもモラハラ加害者と離婚したい、離れたいと考えている場合には、一度弁護士や第三者機関に相談することをおすすめします。
モラハラに強い弁護士に相談することで適切なアドバイスやサポートが受けられるでしょう。




