調停、裁判で離婚するまでどれくらいの期間がかかるのか、何をしたらいいのか

監修者:弁護士 渡辺秀行 法律事務所リベロ(東京都足立区)所長弁護士

監修者:弁護士 渡辺秀行

 法律事務所リベロ(東京都足立区)
 所長弁護士

DVやモラハラの被害を受けて、当事務所へ離婚の相談に来られるお客様のほとんどが「一刻も早く離婚したい!」とおっしゃられます。

DVで身体にダメージを受けるのはもちろん、モラハラで心をすり減らしながら過ごすのは本当に苦しいため、一日でも早く婚姻関係を終わらせたいと思うのは当然のことだと思います。

今回のコラムではDVやモラハラで離婚を決意した方が、

・実際どのくらいの期間で離婚が成立しているのか

・調停、裁判ではどうやって対応したらいいのか

を書いていきたいと思います。これから離婚を検討している方は是非参考にしてください。なお、以下は法律事務所リベロでの統計をもとに作成しています。具体例については、解決事例をご参考下さい。

目次

①調停調停の場合

調停の期日は基本的には1ヶ月~1ヶ月半に1回程度開かれ、その間、裁判所にて徐々にお互いの妥協点を見つけて離婚もしくは和解に向けて話し合うため、離婚調停開始~調停離婚成立まで、およそ半年~2年程度かかっています。

DVやモラハラをする人はなかなか自分の非を認めようとせず、離婚するのをごねたり、泣き落としをしたり、常識を超えた妥協案を提案したりすることが多い傾向にあります。また、モラハラの人は外面がいいため、調停委員にうまく取り入り同情を買うなどして、あたかも妻側に原因があるかのような印象を与えたりします。

悔しい思いを経験しますが、調停では何が何でも離婚するという決意を絶対曲げず、その意思を伝え、離婚に応じさせることが重要です

そして、離婚に応じた場合には、正当な資料、根拠に基づく財産分与、養育費等の主張をし、裁判所にその正当性を理解してもらい、裁判所を巻き込んで、相手を説得していく必要があります。面会交流でも、過大な要求をしてくることがありますが、ここでも、家庭裁判所調査官などの協力のもと、説得していく必要があります。

モラハラ夫が相手の場合には、調停が長期化するのを覚悟しつつ、とにかく、根気強く、毎回、調停に望む必要があるでしょう。

②離婚裁判まで行った場合

離婚裁判開始~離婚が成立するまで、約10ヶ月~約2年程度かかっています。

裁判裁判は、月に1回程度の割合で裁判が行われます。離婚裁判では、当事者が交互に、証拠に基づいて、主張をして行くことになります。調停とは違い、その場で話し合うというよりは、各裁判期日に向けて、事前に自分の言い分を記載した書面及びそれを裏付ける証拠を提出し、裁判の場ではその内容を確認するということがメインになります裁判官に理解してもらうよう、書面作成、証拠を準備であるため、かなりの割合で、弁護士がついています。

調停のときと同様、DVやモラハラの人は、こちらがどれだけDVやモラハラの証拠を出しても、それを素直に認めようとはしません。自分は家族のことを一生懸命考えて、婚姻生活を送っていた、育児家事に協力していた、自分には全く非がないのに、妻は、突然、子供を連れて出て行ってしまったと、あたかも自分が被害者であるかのような主張をします。

しかし、調停では、頑なに離婚を拒んでいても、離婚裁判になれば、さすがに修復は無理と考えてか、離婚には応じることもあります。特に、離婚裁判では、相手にも弁護士がつくことが多いので、相手の弁護士の説得のもと、離婚に転ずることもあります。そのため、途中で和解離婚が成立することも相当程度の割合であります。

仮に和解離婚が成立しなくても、裁判では、お互いの主張、立証活動が終了した段階で、裁判官が判決を出すことになっているため、事件終了の目途がある程度、立ちやすいといえます。この点は、いつ終わるのか分からない調停とは異なります。

離婚裁判で離婚が認められるか否かは判決時点で、夫婦関係が破綻しているか、すなわち、修復不可能な状態にあるかによって判断されます。その際、モラハラ、DV等の同居中の出来事、別居に至る経緯、別居後の事情、判決時点までの別居期間、修復の現実的可能性などが考慮されているようです。

ちまたでは、モラハラでは離婚が認められずらいといった話を聞くことがありますが、少なくとも、当事務所ではそのような実感はございません。

時間はかかることもありますが、多くの件で、調停や裁判で離婚に至っています。これは、離婚原因は、通常、モラハラに限られないこと、調停、裁判が長期化することで別居期間が長くなること、モラハラの人特有の別居後の異常な対応によって、別居後も夫婦関係が悪化の一途を辿ること、モラハラの人から提案される夫婦修復案が非現実的であることなど(多くの場合、話し合えば元に戻れるなどと主張します)、諸々の理由が挙げられると思います。

DV・モラハラをする相手とは長引くので早めに別居をし、裁判所に頼るのがおすすめ!

多くの方が、協議でさくっと離婚したいと考えているかと思います。しかしDV・モラハラをする相手の大抵が、その時点ではごねたり脅したりなどをしてくるため、話し合いになりません。

今回のコラムを見て、「調停や裁判まで行くとこんなにも長い期間相手と戦わないといけないことがあるのか」と心が折れそうになった方もいらっしゃるかもしれません。

しかし逆に考えると、調停で意外とあっさり終わる可能性もありますし、裁判まで行ったとしても、いつか終わりは来るとも言えます。あなたと配偶者の話し合いがどのくらいの期間で終わるかは、話し合いをはじめてみるまでわかりません。

すべてを我慢してこれからの人生何十年も苦しい思いをするよりは、4,5年をかけてでも戦って勝つ方が無駄な時間を過ごさずに済むとも考えられます。

また、今回のコラムを見て、「自分たちのパターンだと離婚までに長時間かかりそうだな」と感じた方は、それを仮定した別居準備をすることをお勧めします。仕事をしている場合は通いやすさが重要になるでしょう。子どもがいる場合は幼稚園保育園や学校との距離を考え、場合によっては転園・転校も検討しなければなりません。

そして、「DVやモラハラから逃げるために離婚を持ち掛けたのに、離婚するまでの長期間相手とやり取りをするのはつらい」という方は早めに弁護士への依頼をお勧めします。弁護士に依頼をすれば、相手とのやり取りは基本的に弁護士を介して行われるため、心理的負担が大きく減ります。もちろんあなたが有利に離婚できるように全力で取り組むため、あなたが離婚裁判に対してかける時間も大きく減ることになるでしょう。その分、十分に心を休めたり、仕事や子育てに打ち込め、新たな生活基盤をしっかり作ることができます。

法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行(東京弁護士会)

特許事務所にて 特許出願、中間処理等に従事したのち、平成17年旧司法試験合格。
平成19年広島弁護士会に登録し、山下江法律事務所に入所。
平成23年地元北千住にて独立、法律事務所リベロを設立。


弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけています。離婚・DV・モラハラでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行

  • 東京弁護士会所属
  • 慶応大学出身
  • 平成17年旧司法試験合格

弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけています。

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