【モラハラ】夫(妻)のDV・モラハラ行為は治療やカウンセリングにより改善できるのか【DV】

DV・モラハラの離婚相談を受けていると,「あの性格がなくならない限り,離婚以外考えられない」「暴力・暴言さえなければ・・・」といった言葉をよく聞きます。
そもそもDVやモラハラというものは精神科や心療内科などの医療機関での治療や適切なカウンセリングを受ければ,加害者が変わることはできるのでしょうか?

目次

そもそもなぜモラハラをしてしまうのか?

モラハラの原因に関しては以下のコラムでも解説しております。

単に怒りっぽい性格というだけではなく,幼少期の家庭環境や親との関係がモラハラの原因に繋がっていると考えられているようです。

DV・モラハラ加害者を精神科・心療内科やカウンセリングに連れて行くことはできる?

モラハラ夫(妻)の言動にうんざりし離婚を切り出すと,離婚したくないあまり
「カウンセリング受けるから!すぐに怒ってしまう性格を治すから,やり直そう!!」という夫(妻)もいます。
当事務所においては,モラハラ加害者が実際にカウンセリングに通った事例もあります。
その後,離婚に至ることなく妻(夫)が戻ってくると,
加害者はすぐにカウンセリングに通うことをやめ,すぐに怒る性格に戻ることや,暴言を発してしまう等
カウンセリングに行っても全く改善の兆しが見えない人がほとんどです。

治療やカウンセリングに通ったとしても
「あなたにも医者にもモラハラと言われたけど自分はそう思ってない」
「以前『自分はモラハラかも』って言ったけど,あれは離婚したくないから勢いで言った。モラハラを認めなきゃいけない空気を作ったお前が悪い」と開き直りモラハラの自覚さえ持ってもらえなかった事案もありました。

それどころかカウンセリングに行ったことを逆手に取り
「何で自分はカウンセリングに行って変わろうとしたのに,あなたは変わろうとしないの?」と妻(夫)をさらに攻撃することもあります。

つまりモラハラ加害者は「自分がモラハラをしている自覚がない」ことがほとんどです。
そのような人に精神科や心療内科での受診・治療やカウンセリングをしても,効果はないように思われます。

モラハラは依存性がとても高い

モラハラはアルコールやたばこ・薬物と同じように,依存性のとても高いものです。
「モラハラ行為に逃げる」という依存から抜け出すのは,かなり難しいことだと思います。
アルコール中毒や薬物中毒とは違って,モラハラをしても自分は健康を害したりしないですし,
家庭内という密室で起こることがほとんどなので,自分の社会的地位が揺らぐこともありません。
理不尽に妻(夫)や子に当たり散らすモラハラ行為により,自分はスッキリして,妻(夫)や子以外の人間にはほとんど気づかれない・・・。
これほど精神的にも肉体的にも自分にデメリットのない行為を簡単にやめられるかと言えばかなり難しいと言っていいでしょう。

モラハラが治る可能性は低い

もちろん,モラハラ加害者が,自身のこれまでの行動を心から反省し,
モラハラをしているという自覚を持つことが出来れば
,治療やカウンセリングを受けて改善されることもあるでしょう。
しかし,自覚を持つまでに時間を要することや,そもそも自覚をしなければカウンセリングを受けさせることさえも困難と思われます。
またカウンセリングを受けさせることができたとしても,
その時は改善されるかもしれませんが,通い続けるのをやめてしまうとまた元の性格に戻ってしまう恐れもあります。
つまり「~すればモラハラは絶対に治る!」といった方法は存在しません。

このコラムで,モラハラの治療の難しさを少しご理解いただけたのではないでしょうか。
配偶者と末永く一緒に過ごしていくことを選択し,精神科での治療やカウンセリングを受けさせ,モラハラが治るわずかな可能性にかけるか,
それとも,あなたを傷つけるようなパートナーと縁を切り,自分や子どもの身を守るための準備を進めていくかはあなた自身です。
あなたが一番幸せになれる解決策が見つかることを願っております。

監修者情報

法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行(東京弁護士会)

特許事務所にて 特許出願、中間処理等に従事したのち、平成17年旧司法試験合格。
平成19年広島弁護士会に登録し、山下江法律事務所に入所。
平成23年地元北千住にて独立、法律事務所リベロを設立。


弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけている。

法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行

  • 東京弁護士会所属
  • 慶応大学出身
  • 平成17年旧司法試験合格

弁護士として約17年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけている。

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