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宿泊を伴う面会交流は認められますか?
宿泊を伴う面会交流は,普段,子と過ごせない非監護親にとっては長時間にわたり子と一緒に過ごせるため楽しみなことになりますが,他方,監護親にとっては長時間にわたり非監護親の下に子を預け,その間の子の状況等を把握できないため,不安な思いを拭い去れません。
そこで,父母の間にこれを実施できるだけの信頼関係が十分に形成されているような場合に,夏休み等の長期休暇期間中などに,宿泊付の面会交流が認められることになります。
例えば,平成18年7月31日,東京家庭裁判所は,父と母との間に面会交渉についての信頼関係が十分に形成されていないこと等を理由として,宿泊付の面会交流は認めませんでした。
また,特殊な例として,監護親やその親族が,非監護親の子と関係を故意に悪化させていたような場合に,監護親や親族等から一時離別して,子と非監護親の親愛関係を形成する目的で,宿泊付面会交流が認められることもあります。
実際,平成2年12月3日,岡山家庭裁判所は,母が,別居後父と一緒に生活している子に対する面会交流を求めた事案において,義母(父の母親)が母を誹謗し,子らがこれを信じたことで,子が強い拒否的反応を示していることが子の健全な心身発達を阻害しているとして,子と母が心的な信頼関係を回復するため,当面,子らの学校の長期休暇期間中に一定期間母宅に宿泊するという形での面会交流を認めました。