【面会交流】元夫との面会交流がメールでのやりとりに限定された事例

目次
ご相談までの経緯

離婚裁判を担当した元依頼者である母親から、離婚後しばらくして、元夫(以下「父」表記)から突然、面会交流調停の申立書が届いたため、どうしたらよいかとのご相談がありました。
子どもは離婚後、父と面会したことがなく、父について話すこともほとんどありませんでした。
離婚裁判では、父が母に対して100万円の慰謝料を支払う内容で和解離婚が成立していましたが、その際、面会交流についての取り決めは行われていませんでした。
面会交流調停

面会交流調停
子どもは中学生になったばかりで、新しい環境に入る大切な時期でした。また、思春期に差しかかったばかりで、精神的にも不安定になりやすい時期であったことから、母は父との直接的な面会交流については消極的な意向でした。
一方、父は、月に1回以上の面会交流を実施したいと希望していました。長期間子どもと会っていなかったため、最初は1時間程度の交流から始めたいとの意向でした。
また、子どもの生活環境や思春期の問題については理解しているものの、父として子どもにできることをしたいという希望を述べていました。
調停では、父に現在の子どもの写真を送付したり、父の写真を子どもに見せたりしたほか、父と交流するためのメールアドレスを父に伝えるなど、段階的な交流を試みました。
しかし、調停期日の間に、父から子どもに対してメールが送られることはありませんでした。
その後、数回の調停期日を経て、父母双方の意向や子どもの状況を確認するため、家庭裁判所の調査官による調査が実施されることとなりました。
調査官調査
調査官による調査では、父母それぞれに対して聞き取り調査が行われました。
調査官の意見は以下の通りです。
『未成年者は父の写真の受領やメール受信について受け入れているものの、父とは会わなくてよいと言っている。これまで長期間交流はなく、中学生となり思春期の年齢にさしかかり、同居している親であってもコミュニケーションが難しくなる時期である。
未成年者は精神的にも不安定になることがあり、学校への登校も十分にはできていない・・・まずは気持ちを安定させ、登校できることを目標としている現状を考慮すると、面会交流に対する、未成年者の意向把握については慎重に検討せざるを得ず、未成年者のペースを尊重することが未成年者にとっていいように思われる。 申立人(父)から未成年者にメール送信する場合のメールアドレスは申立人に伝えられており、申立人の連絡先は未成年者にすでに伝えられているのであれば、申立人と未成年者は、連絡を取りたいときに互いに連絡が取れる状況にあるといえる。今後の進行については申立人および相手方(母)の考えが一致している内容をもとに検討していくことが考えられる。』
調査官調査の結果を受け以下の内容で調停が成立しました。
- 相手方(母)は,申立人(父)が子にメールを送信することを認める。
- 相手方は,子が申立人にメールを送信することを妨げない。




