すぐ「離婚だ!」「出て行け」と言うモラハラ夫・妻!離婚をちらつかせる心理と対処法について解説

夫婦げんかをする度に「じゃあ離婚だな」「出て行け」という夫や妻がいます。そのような離婚や別居をちらつかせたり、脅す発言を軽々しく口にすることは、最終的に夫婦間の信頼関係を壊すだけでなく、精神的な健康にも悪影響を及ぼします。
普段から「離婚する」「出て行け」が脅し文句のモラハラ夫・妻にかぎって、実際に出て行ったり、離婚の話が具体的になると、「離婚したくない」の一点張りになるのはモラハラあるあると言ってもいいでしょう。
このコラムでは、すぐ離婚をちらつかせる夫や妻の心理、モラハラとの関連性、対処法について解説します。
目次
離婚をちらつかせる心理は?モラハラとの関連性

支配欲と優越感を満たすためのモラハラ
夫婦喧嘩や衝突の場面で「離婚だ」や「嫌なら出て行け」といった言葉が発せられることがあります。これらは、夫婦間での主導権を握るための「脅し文句」として用いられるケースが多いです。特に、配偶者が経済的に依存している場合や子どもを抱えている場合、その言葉のインパクトは非常に大きく、相手を心理的に追い詰める手段となります。
また、離婚を軽々しく口にする場合、その背景には相手を屈服させたいという支配的な感情が潜んでいることが多いです。特に「言うことを聞けないのなら離婚だ」といったニュアンスを含む脅しのような発言がその一例です。
これにより、発言者は自分が常に関係の主導権を握っていることを誇示しようとします。これは、モラルハラスメント、いわゆる「モラハラ」としても分類される行為であり、夫婦関係に大きな悪影響を与えます。
相手の恐怖心を煽ると自分が安心できる
「離婚をちらつかせる」行動は、相手に恐怖感や不安を与える強い心理的影響をもたらします。このような発言を繰り返すことで、相手は「本当に離婚されるかもしれない」と考え、精神的なストレスを感じるようになります。特に専業主婦や経済的に弱い立場にある場合には、この効果が顕著になります。恐怖心を煽ることによって、相手が自分に従順になることを期待しているのです。
相手の恐怖心を煽ろうする心理は、支配が揺らぐことへの不安を消すため、相手の精神的自由を奪い、加害者自身が安心感を得ようとする心理的メカニズムといえます。例えば、離婚や追い出しをちらつかせることで、「離れては生きていけない」という錯覚を相手に抱かせ、自らの支配が揺るがない状況を作りたいと考えています。
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愛情への確認や試し行動
離婚をちらつかせる発言が一概に脅しやモラハラとは限らず、愛情の存在を確認する試みである場合もあります。このようなケースでは、「本当に私を大切に思っているのか」を相手の反応から確かめようとする意図が読み取れることがあります。
典型的には、「離婚したいの?」という問いかけに対し、相手がどのように応じるのかをチェックするような行動です。ただし、このような試し行動は健全なコミュニケーションとはいえず、むしろ不安定な感情や疑念を増幅させることが多いです。
怒りにまかせた「離婚発言」
モラハラ加害者の「離婚だ」という発言は、しばしば怒りやフラストレーションが高まった際の反射行動ともいえます。自分の思い通りにならない状況や、自分を否定されたという感情に直面すると、その怒りを爆発させる形で「離婚だ」などの暴言を吐くことがあります。
このような発言は、加害者自身の感情コントロールが未熟であることの現れとも言えるでしょう。しかし、相手にとってはその一言が深刻な精神的ダメージを与えるため、被害者側はこの暴言に怯え、萎縮する結果となります。
「離婚だ」「出て行け」の脅し文句に怯えなくていい理由

本気で離婚する勇気はないから
モラハラ加害者は自分が気に入らないことがあるとすぐ「離婚だ!」と言いますが、そういう人にかぎって実際に離婚という話になると「そんなつもりは無かった」「離婚したくない」と泣きついて離婚を拒むか、「離婚してお前がやっていける訳がない」「子どものことはどうするんだ」等の脅しをかけ、離婚を回避しようとするのが実態です。
「離婚だ!」と何度も言われ、「脅しで言うのはやめてほしい」と伝えると、「脅しじゃない、本気だ」と言ってくるかもしれません。実際、あなたに不満があって喧嘩の拍子につい「離婚だ」と口走ってしまうというという可能性もあります。
しかし、本気で離婚したいと思っていて、離婚が現実的な選択肢として頭にある人は、軽々しく「離婚」だと口にはしないのではないでしょうか?加害者は、あなたに依存していて、離れてほしくないから言葉で支配しようとします。
離婚すると言われても、怯んでしまったり、相手の機嫌を取ろうとせず、冷静な態度を貫くことが大切です。
そう簡単に離婚はできないから
離婚は、お互いの同意があれば離婚届を記入し(子どもがいる場合は親権を決める必要があります)、役所に提出するだけで済みます。しかし、相手から「離婚したい」と言われても、あなたが離婚に同意していなければ簡単に離婚はできません。離婚に同意しない相手と離婚を成立させるには、「調停」で話し合い、それでも同意がとれなければ「裁判」で判決を出してもらう必要があります。
しかも、裁判で離婚が認められるためには、法律で定められた「離婚事由」や、「婚姻を継続しがたい重大な理由」が必要です。もしあなたが「不貞行為」等の「有責行為」が無い場合には、離婚が認められる可能性は低いでしょう。
また、相手のDVやモラハラの証拠があり、それが認められた場合には、相手が「有責配偶者」となります。有責配偶者からの離婚は、相当な別居年数(10年程度)の事実がない限り原則認められません。
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一方的に追い出す法的権利はないから

小さな子どもがいる専業主婦の場合や、家の名義がモラハラ夫の場合、「ここは俺の家なんだからお前が出て行け」「俺が金を払ってるんだから俺の家だ」と言われることがあります。
しかし、夫婦には「同居義務」という法律(民法752条)があり、正当な理由無く家を追い出すことは、同居義務を守らない「悪意の遺棄」という「法定離婚事由」に当たる可能性があります。また、生活の費用(婚姻費用)を分担するのは夫婦の義務ですので、夫名義の家だとしても、専業主婦の妻や子どもには家に住む権利がありますし、生活費をもらう権利があります。
もし強制的に追い出された場合、それはDVやモラハラの証拠になりますので、追い出されるに至った経緯を記したメモや、第三者に送ったLINE、相手とのLINE(追い出されたことが分かる内容のもの)を記録しておきましょう。
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お金も頼れる実家もなくても助けてくれる人はいるから
専業主婦だったり、小さな子どもがいる場合、「家を出たくてもお金が無いだろう」「実家に頼れないから行く当てが無いだろう」とDVモラハラ夫は考えます。「離婚だ」「家を出て行け」と言われたら、相手が困ることが分かって脅しているのであり、「自分が優位な立場にいる」と考えているから出る発言です。
しかし、お金も頼れる実家も無い状態で追い出されたり、別居したとしても、警察や行政、NPO等の民間の団体からの支援が必ずあります。もし追い出されたら、それはDVに当たる行為ですので、警察に通報するか交番に行く、役所に相談することで、家に戻ると危険性があると判断されれば「シェルター」や「一時保護施設」に滞在することができます。
シェルターや一時保護施設に入ることになったら、衣服や洗面用具、食事の支給や生活用品購入のためのお金の支給を無料で受けることができます。
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また、シェルターや一時保護施設に入った後、長期的に別居、離婚することになれば、「母子生活支援施設」に入居できる場合もあります。母子生活支援施設は、所得に応じた費用負担(非課税世帯なら0円)で住むことができ、子育てや福祉のサポートを受けながら、たくさんの支援の中で子育てすることができます。
なので、「この人の言うとおりにしないと子どもたちが路頭に迷ってしまうから我慢するしかない」とは決して思う必要はありません。
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離婚をちらつかせる相手との向き合い方

冷静な対応と感情に流されないためのポイント
モラハラに直面した場合、まず重要なのは冷静さを保つことです。夫婦間で離婚をちらつかせる発言があったとしても、感情的に反応するよりも、その発言の真意を冷静に見極めることが求められます。
感情に流されて喧嘩や言い争いを繰り返してしまうと、モラハラ行動を助長する可能性があります。また、過剰に自分を責めたり、相手の脅しに屈してしまったりすると、精神的ダメージが大きくなります。深呼吸や時間を置くことで、自分の感情を一旦整理する習慣をつけることが、健全な夫婦関係を保つ第一歩となります。
信頼回復のためのコミュニケーション術
離婚をちらつかせる発言が繰り返される背景には、夫婦間の信頼関係の崩壊が隠れている場合があります。信頼を回復するためには、互いが感じている不満や不安をしっかりと共有し、歩み寄りを試みることが鍵です。
例えば、定期的に意見交換の場を設けたり、感謝の気持ちを言葉にするなど、ポジティブなコミュニケーションを増やすことが有効です。このような取り組みによって、モラハラ的な言動を防ぎ、夫婦関係を改善する一歩となります。
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相談機関やカウンセラーを活用する
モラハラ問題に向き合う際には、専門的なサポートを求めることも効果的です。信頼できるカウンセラーや家族問題に詳しい相談機関を利用することで、客観的なアドバイスを受けることができます。
「離婚をちらつかせる」というモラハラ行動は、軽視してはいけない問題です。自分一人で抱え込まず、経験や知識を持つ専門家の意見を取り入れることで、自分の考えを整理し、的確な行動を起こすきっかけになります。さらに、外部の第三者が関与することで、相手が自らの行動を見直す可能性も高まると言われています。
もし関係改善が困難な場合の対処法

別居や物理的距離を取ることの重要性
夫婦関係が悪化し、話し合いや改善が難しい状況では、まず冷静に状況を見つめ直すために物理的距離を取ることが有効です。別居という選択肢は、精神的な負担を軽減し、感情的な対立を避けるきっかけとなります。
特に、日常的に離婚をちらつかせるような発言を受けている場合、その言葉によるストレスや圧力から一時的に解放されることが重要です。また、別居の期間中に自身の気持ちや状況を整理し、自分にとって最適な次のステップを検討することが可能になります。
別居期間中でも、夫婦には生活費を分担する義務がありますので、相手の収入が自分の収入より多い場合は、相手に生活費(婚姻費用)を請求することができます。
離婚を決断する際の基準と準備
離婚をちらつかせるという行為が繰り返され、関係改善の兆しが見えない場合には、離婚を現実的に考えるタイミングが訪れることもあります。その際、重要なのは感情だけに流されず、冷静な基準を設定することです。例えば、夫婦関係が完全に破綻しているか、モラハラの影響で自分自身の精神状態や健康が深刻に損なわれているかどうかを判断基準とすることが考えられます。
モラハラによる離婚を円滑に進めるためには、相手のモラハラ行為を証明するための証拠を収集することが極めて重要です。具体的な例として、離婚をちらつかせるような発言が記録されたメッセージや録音、日々のモラハラ行為を記録したメモなどが挙げられます。これらの証拠は、離婚調停や裁判で重要な役割を果たします。
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まとめ

配偶者から「離婚」という言葉を繰り返しちらつかせられることは、大きなストレスとなります。特に、配偶者の意図が脅しや心理的な圧力を目的としている場合、受け手は自分の価値を否定されたように感じ、自己肯定感が大きく低下すると言われています。このような状況は、モラハラとして認識される場合も多く、自分自身を責めたり、無力感に苛まれるなどの深刻な心理的影響をもたらします。
離婚をちらつかせる問題が深刻化した場合、専門家のサポートを受けることをおすすめします。夫婦間の問題は当事者だけで解決するのが難しい場合があり、第三者の視点が必要なこともあります。家族カウンセラー等の相談機関活用することで、お互いの感情や行動の背景を理解する助けとなり、解決策が見えてくることもあるでしょう。
また、相手のモラハラにより離婚が現実味を帯びてきた場合には、弁護士に相談することで離婚への準備、証拠の集め方等、離婚に向けての具体的な行動を教えてもらうことができます。経済的な不安がある場合は、慰謝料や財産分与、養育費について適切なアドバイスを受けることができます。
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