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家族にだけキレる人と、このまま一緒にいていいのか|離れるべきか迷ったときの判断ポイント

監修者:弁護士 渡辺秀行 法律事務所リベロ(東京都足立区)所長弁護士 東京弁護士会所属

監修者:弁護士 渡辺秀行

 法律事務所リベロ(東京都足立区)
 所長弁護士 東京弁護士会所属

外では問題なく過ごしているのに、家では些細なことで強い怒りをぶつけてくる。
その相手の様子に、「どうして自分にだけ?」と感じている方もいるかもしれません。

怒りの理由として、「病気なのかもしれない」「ストレスが溜まっているだけかもしれない」と考えることもあるかもしれません。
そう思うことで、「自分が我慢すればいいのではないか」と感じてしまうこともあるでしょう。

しかし、その理由が何であったとしても、暴言や威圧、暴力によって心身の安全が脅かされる状況を、無理に受け入れ続ける必要はありません。

一方で、「離れた方がいいのは分かっているけれど、簡単に決断できない」というのが現実ではないでしょうか。

では、どのような状態であれば、関係を見直すことを考えるべきなのでしょうか。
また、別居や離婚を考え始めたときに、どのような点を確認しておく必要があるのでしょうか。

この記事では、「まだ私たちは大丈夫なのか」と迷っている方に向けて、離れるかどうかを考えるための判断の目安と、別居や離婚を検討する際に知っておきたいポイントをお伝えします。

目次

なぜ家族にだけキレてしまうの?

外では問題なく過ごせているのに、家族に対してだけ強い怒りが出てしまう。
このような状態には、いくつかの要因が重なっていることがあります。

例えば、次のような背景が考えられます。

  • 気を張っていた反動が、家庭で一気に出てしまう
  • 「これくらい言っても大丈夫」という甘えや期待
  • 外でのストレスのはけ口になっている
  • 感情のコントロールが難しくなっている

なお、このような状態は、
間欠性爆発性障害などの精神的な問題が関係している可能性が指摘されることもあります。

ただし、実際にはストレスや環境、関係性など、複数の要因が重なっていることも多く、専門家でなければ正確に判断することは簡単ではありません。

また、「家族にだけ怒りが向く」という状態は、一般的にいわれるモラルハラスメント(モラハラ)やDVと重なる部分もあります。

モラハラやDVは、単なる怒りっぽさではなく、相手に恐怖や不安を与え、関係の中で支配的な状態をつくる行為です。
大切なのは、理由があることと、それが許されるかどうかは別だという点です。

まだ私たちは大丈夫?迷ったときに確認したい判断ポイントは?

「まだ大丈夫かもしれない」と感じているときほど、状況を冷静に見直すことが大切です。

例えば、次のような状態が続いていないか、一度立ち止まって確認してみてください。

  • 怒鳴り声や威圧的な態度に、日常的におびえている
  • 相手の機嫌を常に気にして行動している
  • 自分の意見を言うことが怖くなっている
  • 子どもが萎縮している、顔色をうかがっている
  • 「自分が悪いのかもしれない」と考えることが増えている

これらが当てはまる場合、「問題がある状態が続いている可能性」を考える必要があります。

ここで大切なのは、「病気かどうか」ではなく、安心して生活できているかどうかという視点です。

離れた方がいいと言われても、できないから悩んでいる

「離れた方がいい」と言われても、すぐにそうできないのが現実です。

生活のこと、子どものこと、これまでの関係。
さまざまな事情があり、簡単に決断できるものではありません。

また、「本当は優しいときもある」「自分が我慢すればうまくいくかもしれない」と感じることもあるでしょう。

ただ、ここで考えておきたいのは、離れない理由が“現実的な事情”なのか、それとも“関係に縛られている状態”なのかという点です。

強い怒りと優しさが繰り返される関係は、離れることが難しくなる傾向があります。
こうした状態は、いわゆる「共依存」と呼ばれる関係に近づいている可能性もあります。

苦しいと感じながらも離れられない状態が続いている場合、それは健全な関係とは言えないこともあります。

「一緒にいること」が関係を良くしているとは限らない

ただ、ここで一度立ち止まって考えてみてほしいのは、
「一緒にいること」が本当に関係を良くしているのかという点です。

顔色をうかがいながら生活する。
いつ怒り出すかわからない相手に気を張り続ける。

そうした状態が続くと、関係は良くなるどころか、少しずつすり減っていきます。

実際には、距離を取ることで状況が落ち着くケースもあります。

物理的に離れることでぶつかる頻度が減り、冷静さを取り戻せる。
結果として、関係がこれ以上悪化するのを防げることもあります。

一緒にいることだけが、関係を守る方法ではありません。

「離れられない状態」が続くときに起きること

一方で、「つらい」「怖い」と感じているのに離れられない状態が続いている場合は、少し注意が必要です。

相手の機嫌や反応を優先するあまり、自分の違和感や限界を見ないようにしていないでしょうか。

こうした状態が続くと、
「これくらいは普通かもしれない」
「自分が悪いのかもしれない」

と、感覚が少しずつ麻痺していくことがあります。

このように、自分の判断や感覚が後回しになっている状態は、健全な関係とはいえません。
いわゆる「共依存」に近づいている可能性もあります。

「離れるかどうか」より大切な視点

大切なのは、今すぐ離れるかどうかではなく、
このままの状態で、自分や子どもの安全や心の安定が保たれているかどうかです。

離れることは簡単な選択ではありません。
ただ、「離れる」という選択肢を持たないまま我慢を続けることが、状況を良くするとは限りません。

辛くても、離れることを考えた方がよいケースとは?

次のような状況がある場合は、距離を取ることも含めて、関係を見直す必要があります。

  • 暴言や威圧的な言動が繰り返されている
  • 物に当たる、物を壊すなどの行為がある
  • 身体的な暴力がある、または恐怖を感じている
  • 子どもへの影響が出ている
  • 心身に不調(不眠、食欲不振、不安感など)が出ている

このような状態は、モラハラやDVに該当する可能性があります。

そして重要なのは、相手に理由があるかどうかに関係なく、自分や子どもの安全は最優先に考えるべきだという点です。

「まだ大丈夫」と思い続けることで、状況が悪化してしまうケースも少なくありません。

これ以上辛くならないために、今できることとは?

今すぐ大きな決断をする必要はありません。
ただし、「何もしない状態」を続けることが最善とは限りません。

例えば、次のような行動が考えられます。

  • 怒りが強くなったときは、その場を離れる
  • 相手が落ち着いているとき以外は話し合いをしない
  • 記録(言動や日時)を残しておく
  • 信頼できる人や専門機関に相談する
  • 一時的に距離を取ることを検討する

距離を取ることは、「関係を終わらせること」ではありません。
むしろ、お互いが冷静になり、関係を見直すきっかけになることもあります。

一緒にいることだけが関係を続ける方法ではありません。

別居や離婚を考え始めたときに、まず知っておきたいこと

すぐに結論を出す必要はありません

別居や離婚を考え始めると、
「今すぐ決めなければいけないのではないか」と感じてしまうことがあります。

しかし、実際にはそのような必要はありません。

むしろ、焦って決断するよりも、
一度状況を整理し、自分にとって何が大切かを考える時間を持つことが重要です。

「感情」だけでなく「現実」も整理しておく

つらい状況が続くと、「もう無理」「離れたい」という気持ちが強くなることがあります。
その気持ちは大切にしつつ、現実的な面もあわせて整理しておくことが重要です。

例えば、次のような点です。

  • 生活費や収入の見通しは立っているか
  • 子どもの生活環境(学校・保育園など)に影響はないか
  • 住む場所を確保できるか
  • 頼れる家族や支援先はあるか

こうした点を整理しておくことで、不安が「漠然としたもの」から「対処できるもの」に変わります。

記録を残しておくことが大切です

相手の言動については、できる範囲で記録を残しておくことも大切です。

  • 暴言や威圧的な言動の内容
  • いつ・どのような状況で起きたか
  • 写真や録音などの客観的な資料

後から状況を振り返るときや、第三者に相談する際に役立ちます。

一人で抱え込まない

別居や離婚を考えるとき、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。
ただ、状況が複雑なほど、第三者の視点が必要になります。

  • 家族や友人など、安心して話せる人
  • 専門家(弁護士など)

こうした相談先を持つことで、状況を客観的に整理しやすくなります。

距離を取ることは「準備」でもある

別居は「離婚の前提」と思われがちですが、それだけではありません。

  • 物理的に離れて衝突を減らす
  • 冷静に状況を見直す時間をつくる

こうした意味で、関係を見直すための一つの手段でもあります。

まとめ

外では普通なのに、家では強い怒りをぶつけてくる。
その状況に、「このまま一緒にいていいのか」と迷うのは、自然なことです。

怒りの背景には、性格だけでなく、ストレスや環境、さまざまな要因が関係していることもあります。
しかし、その理由が何であっても、暴言や威圧、暴力によって心身の安全が脅かされる状態を我慢し続ける必要はありません。

大切なのは、相手を変えようとすることではなく、
まず、自分や子どもの安全と安心が守られているかという視点です。

「まだ大丈夫かもしれない」
そう思いたい気持ちがあるのも、無理はありません。

離れるという選択は、簡単にできるものではありません。
それでも、「離れる」という選択肢を持たないまま我慢を続けることが、状況を良くするとは限りません。

一人で抱え込まず、状況を整理しながら、
自分にとって無理のない形で、これからの選択を考えていくことが大切です。

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法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行(東京弁護士会)

特許事務所にて 特許出願、中間処理等に従事したのち、平成17年旧司法試験合格。
平成19年広島弁護士会に登録し、山下江法律事務所に入所。
平成23年地元北千住にて独立、法律事務所リベロを設立。


弁護士として約19年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。
離婚相談件数750件超。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけています。離婚・DV・モラハラでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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所長 弁護士 渡辺秀行

  • 東京弁護士会所属
  • 慶応大学出身
  • 平成17年旧司法試験合格

弁護士として約19年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。離婚相談件数750件超極真空手歴約20年。
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