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親権争いではどんな証拠が出てくる?不利になる証拠と有効な証拠を解説

監修者:弁護士 渡辺秀行 法律事務所リベロ(東京都足立区)所長弁護士 東京弁護士会所属

監修者:弁護士 渡辺秀行

 法律事務所リベロ(東京都足立区)
 所長弁護士 東京弁護士会所属

親権争いになったとき、
「どんな証拠が必要なのか」「相手は何を出してくるのか」
と不安になる方は多いと思います。

特に最近は、夫婦で子育てを分担している家庭も増えており、
「どちらが主に子どもを見ていたのか」
がはっきりしないケース
も少なくありません。

そのような中で、実際の紛争では、部屋が散らかっている様子を撮影された写真や、子どもを叱った場面の動画など、一部の場面だけを切り取った証拠が提出されることもあります。

また、数回程度の育児実績をもとに、「自分が主に監護してきた」と主張されるケースも見られます。

では、こうした証拠はどこまで評価されるのでしょうか。
親権争いでは、どのような証拠が実際に重視されるのでしょうか。

この記事では、実際の紛争で提出される証拠の具体例とともに、どのような証拠を準備すべきか、そして不利になりやすいポイントについて解説します。

なお、本記事で解説する内容は、離婚時の親権争いだけでなく、別居中にどちらが子どもを監護するかを決める監護者指定の手続でも、同様に問題となるものです。

目次

親権争いで重要な証拠とは?

親権争いでは、次の3つが特に重視されます。

  • 日常的な監護実績の記録
  • 子どもへの悪影響の有無(DV・面前DV・暴言など)
  • 現在及び将来の養育環境の継続性・安定性

親権争いでは、一部の出来事ではなく、日常の積み重ねが最も重要な判断材料となります。

親権争いでは相手がどのような証拠を出してくるのか?

親権争いになると、相手は主に次の2つの方向で証拠を出してきます。

相手が「監護者として不適格」と主張するための証拠とは?

よく提出されるのは、日常の一部を切り取ったものです。

  • 手抜きに見える食事の写真(納豆ごはんだけ等)
  • 散らかった部屋の写真
  • 子どもを叱責している動画
  • 言動を記録した日記

これらは、「監護能力に問題がある」という印象を与える目的で使われます。

ただし、こうした証拠はあくまで一場面にすぎず、それだけで監護能力全体が判断されるわけではありません

相手が「自分が主たる監護者」と主張するための証拠とは?

一方で、次のような形で、自分が子どもの世話に関わってきたことを示す証拠が提出されることもあります。

  • 子どもと出かけた写真
  • 料理の写真
  • 保育園アプリの記録
  • 「迎えに行く」「病院に連れていく」といったLINE履歴

これらの証拠は、実際の監護状況を示すものとして提出されますが、提示の仕方によっては、実態以上に関与しているように見える場合もあります。

そのため、数回程度の関与であっても、全体として「同程度に監護していた」と評価されてしまう可能性があります。

親権争いで不利になる証拠とは?

次のような事情が認められる証拠は、不利に評価されやすくなります。

  • 子育ての放棄が継続している(外泊・不在が多い)
  • 子どもへの暴言や強い叱責が日常的にある
  • 身体的虐待が疑われる事情がある
  • 子どもの前での配偶者への暴言・威圧(面前DV)

これらの事情は、単発ではなく、継続的に認められるほど、不利に評価されやすくなります。

写真や動画だけで親権は決まるのか?

一場面を切り取った写真や動画の証拠だけで、親権が決まるわけではありません。

先ほど挙げたような写真や動画、LINEなどのやり取りは、一見すると強力な証拠に見えるかもしれません。

しかし、親権争いでは、裁判所や調停で評価されるのは、その場面が日常的なものかどうかです。

たとえば、散らかった部屋の写真や簡素な食事は、たまたま片付けが追いつかなかった日や、体調が悪かったといった一時的な出来事にすぎない可能性があります。
子どもを強く叱った動画も、日常的な虐待とは異なる、一瞬の場面であることがあります。

このような証拠については、裁判所の考え方は、

  • 「1回限りの出来事だけで、直ちに監護者としての不適格性を根拠づけるものではない」
  • 「身長や体重は、成長曲線の範囲内にあり、健康状態にも特段の問題はなく、監護者として問題があるとまではいえない」
  • 「暴力的行為が常態化していたなどとは認められず、虐待傾向があったなどとまではいえない」

といった形で判断されることもあります。

つまり、「一部の場面だけ」では、監護能力全体を判断することはできないのです。

証拠だけで親権は決まらない理由

さらに、親権争いでは、証拠の内容だけでなく、家庭裁判所調査官による調査も重要な判断材料となります。

調査では、当事者の自宅環境や、学校・保育園での様子、祖父母などの監護補助者の関与状況、子どもの意向などが確認されます。
実際の生活状況や子どもとの関わり方が直接確認されるため、証拠の内容とあわせて重視される傾向があります。

個々の証拠に一喜一憂するのではなく、日常的な監護状況全体をどのように示せるかが重要になります。

そのため、日々の生活の中での関わりを継続的に記録し、客観的に説明できる形で整理しておくことが、親権争いにおいて大きな差につながります。

親権争いに備えてどんな証拠を残すべきか?

では、親権争いに備えて、どのような証拠を記録しておくことが有効なのでしょうか。

これまで見てきたとおり、親権争いでは、一部の場面ではなく、日常的にどのように子どもと関わってきたかが重視されます。

そのため、重要になるのは、特別な出来事ではなく、日々の積み重ねを示す記録です。

日常的な監護実績が分かる記録とは?

日常的にどちらが子どもの世話をしているのかを示すためには、日々の関わりを具体的に記録しておくことが重要です。

例えば、次のような記録が有効です。

  • 保育園や学校の連絡帳
    保育園のアプリや連絡帳について、誰が記入しているのか分かる形で残しておきます。
  • 登園・登校の登園準備・送迎
    登園準備や送迎を主に誰が行っているのか、自分が対応した日について記録しておきます。
  • 通院の履歴
    予防接種や健診、病気・怪我の際の受診について、誰が付き添ったのかを記録しておくことが重要です。
  • 習い事の送迎記録
    継続的な送迎の積み重ねは、日常的な監護実績として評価されやすくなります。
  • 食事や生活の記録
    食事作り、買い出し、入浴、おむつ替え、遊び、寝かしつけなどは日々の出来事であるため、どちらがどの程度担っているのか分かりにくくなりがちです。

    そのため、このような日常的な世話の分担は、実際の紛争でも争いになりやすいポイントです。
    週にどの程度の割合で分担しているのかなど、継続的に記録しておくことで、日常的な監護実績を具体的に示すことができます。

これらは、日々の生活の中で自然に積み重なるものであり、継続的に監護していることの裏付けになります。

また、自分で記録を残しておくことで、相手から誇張された監護実績や、監護者としての不適格性を主張された場合でも、客観的な資料に基づいて適切に反論することが可能になります。

DV・モラハラがある場合の証拠

いくら相手からモラハラがあったと主張しても、
それを裏付ける証拠が乏しい場合には、事実として認められない可能性があります。

そのため、相手の暴言や暴力がある場合には、できる限り客観的な証拠を残しておくことが重要です。

特に、子どもの前で配偶者に対する暴言や威圧的な言動(いわゆる面前DV)は、子どもに対する心理的虐待として評価される可能性があり、親権や監護者の判断において重視されることがあります。

例えば、次のような証拠が考えられます。

  • 相手の暴言や暴力が記録された録音や動画
  • 子どもに対する暴言や暴力が記録された録音や動画
  • 暴言や人格を否定するような発言が含まれるLINEやメールのやり取り

日時を記録することがポイント

有効な証拠とするためには、「いつ記録されたものか」が明確であることが重要です。
後からまとめて作成したり、編集された可能性があると判断されると、証拠としての信憑性は低く評価されてしまいます。

そのため、記録は「その時点で作成されたこと」が分かる形で残しておくことが必要です。

例えば、次のような方法があります。

  • メールソフトで、その日に自分宛てに送信しておく
  • LINEのメモ機能やグループチャットに送信して記録を残す
  • 写真については、撮影日時が分かる状態で保存しておく

このように、日時が客観的に確認できる形で記録を残しておくことで、後から作成されたものではないことを示すことができ、証拠としての信用性が高まります。

親権争いに備えるチェックリスト

  • 日常の育児(送迎・食事・通院など)を継続的に記録しているか
  • 学校・保育園とのやりとりを誰が行っているか分かるか
  • LINEやアプリの履歴を保存しているか
  • DV・暴言の証拠(録音・動画・メッセージ)があるか
  • 記録の日時が客観的に確認できる状態になっているか

まとめ

親権争いでは、写真や動画、LINEなど、さまざまな証拠が提出されますが、一部の場面だけで監護能力のすべてが判断されるわけではありません。

裁判所は、日常的にどのように子どもと関わってきたのか、その積み重ねを重視して判断します。

また、証拠だけでなく、家庭裁判所調査官による調査なども含め、生活全体の状況が総合的に評価されます。

そのため、個々の証拠に一喜一憂するのではなく、日々の生活の中での関わりを継続的に記録し、客観的に説明できる形で整理しておくことが重要です。

親権争いは、事前の準備によって結果に大きな差が出る分野です。不安なままにしておくのではなく、今できる準備から始めておくことが大切です。

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法律事務所リベロ

所長 弁護士 渡辺秀行(東京弁護士会)

特許事務所にて 特許出願、中間処理等に従事したのち、平成17年旧司法試験合格。
平成19年広島弁護士会に登録し、山下江法律事務所に入所。
平成23年地元北千住にて独立、法律事務所リベロを設立。


弁護士として約19年にわたり、「DV・モラハラ事件」に積極的に携わっており、「離婚」等の家事事件を得意分野としている。
離婚相談件数750件超。極真空手歴約20年。
悩んでいる被害者の方に「自分の人生を生きてほしい」という思いから、DVモラハラ加害者との対峙にも決して怯まない「知識・経験」と「武道の精神」で依頼者を全力でサポートすることを心がけています。離婚・DV・モラハラでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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所長 弁護士 渡辺秀行

  • 東京弁護士会所属
  • 慶応大学出身
  • 平成17年旧司法試験合格

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