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子の意思は尊重されるのですか?
監修者:弁護士 渡辺秀行 法律事務所リベロ(東京都足立区)所長弁護士
法律事務所リベロ(東京都足立区)
所長弁護士
面会交流の可否やその内容や条件を検討するときには,子の意向を把握し,これを尊重すべきと考えられています。
しかし,子の意思を的確に判断することは,実際には非常に難しいです。
なぜなら,子の思考力や言語能力には非常な個人差があり,これが子の意思形成やその意思表示に影響していることがあり,子が親との別居や離婚により相当の精神的負担を負い,自分の意思を表明することが困難な心身の状況に陥っていることもあるからです。
さらに,子は自らの意思を表明すれば,両親のいずれかを裏切ることになるとして,何としてもそれを避けたいという忠誠葛藤の状態に陥りやすく,そのため,非監護親に会いたいという気持ちを有していたとしても,監護親に本心を明かすことをためらう傾向があるからです。
こうしたことから,子の意思を把握する際には,子の表面的な言動にとらわれずに,両親の離婚をめぐる紛争の経緯,両親と子の関係性,子の年齢,発達段階,心身の状況,子の言動等の背景事情を十分考慮すべきと考えられています。